光雲寺本堂及庫裏増築許可願ノ件(古義真言宗)Ⅱー㊲1300~1324

1300

光雲寺本堂及庫裏増築許可願

ノ件

指令案

京畿道京城府西四軒町百六十六番地


1301

古義真言宗光雲寺

住職澤光範

外五名

大正十五年三月二十二日附願光雲寺本堂及

庫裏増築ノ件許可ス

年  月  日

朝鮮総督


1302

起案ノ理由

光雲寺ハ真言宗朝鮮京城高野山別

院トシテ全鮮ノ伝道本部ニ充当スルコト

ニ協議成立シタルモノニシテ為ニ従来ノ建物ニ

テハ狭隘ヲ告ケ不便尠カラサルヲ以テ今回

本堂並庫裏ヲ増築セントシ経費十万

円ヲ以テ五ヶ年継続事業トシ本年ヨリ工

事ニ着手スル予定ナルガ経費ノ出所ハ本山

ノ補助五万円檀信徒ノ醵出金五万円ト

ナリ本山ノ補助額ハ未定ナルモ萬一補助ヲ得サ


1303

ル場合ハ檀信徒ニ於テ責任ヲ以テ之ヲ負担

スルコトヲ声明シ敷地ノ如キモ尚ホ本山ニ於テハ既ニ本山ニテ敷地ヲ買

収シ之ニ充ルコトゝナリ信徒総代小林勝右

衛門外四名ハ何レモ当地方ニ於ケル有力者

ナルト且本事業ハ長年ニ渉ル継続的ノモ

ノナレハ敢テ至難ノ業ニモアラサルヘシト思料

セラルゝニ付本出願ノ通リ御許可相成可然

哉相伺候也


1304

予算釈明書

前ニ提出セシ京城府西四軒町光雲寺増築

許可願中予算総額金拾萬円也ノ中

金五萬円ヲ本山金剛峯寺ヘ補助請願

中ニ御座候然ルニ萬一本山ガ此請願ヲ裁

用無之トキハ吾等檀信徒ハ誓ツテ責任支

出ヲナシ予定ノ工事ヲ完成可致候此段添

ヘテ申上候也

大正十五年六月十五日

京城府西四軒町光雲寺住職

少僧正 澤光範

右寺檀信徒総代

小林勝右衛門 印

北野善造 印

尾崎勝三郎 印

城台一六 印

池尻林次郎 不在

朝鮮総督

子爵斎藤実殿


1305

総督府

宗教課長殿

至急

六月十四日

西四軒町

光雲寺


1306

大正十五年五月十一日

古義真言宗宗務所 印

朝鮮総督府学務局長殿

本月三日付御照会ニ係ル光雲寺本堂改築及庫裡

新築費総額金拾萬円也中ヘ金五萬円也下附ノ件

本宗総本山金剛峯寺ヘ請願致候ハ事実ニ候ヘ共

之カ採否ハ本宗宗会ノ協賛ヲ経ベキ儀ニ候事ハ関係

者間ニ於テ添書致居候條右御了承相成度此段御回

答ニ及候也


1307

朝鮮総督府学務局長殿

高野山

古義真言宗宗務所

振替大阪七六五四

1308

光雲寺本堂改築及庫裏新

築ニ関スル件

本件ニ関スル願書及附属書類ヲ閲

シテ考慮スルニ京畿道知事ノ副申ニ


1309

詳具セル如ク工事ニ要スル経費ノ出所

ニ関シテ確定セルモノナク寄附募集ノ

如キモ予定ノ収入ハ困難ナルモノ云々ト

有之ニ依リ本件工事総経費ノ半額ヲ

負担スルコトヲ請願セリトノ具陳ニ対

シ金剛峯寺(古義真言宗管長常在地)ノ意向ヲ確

ムル為左案御問合ノ上本件許否ノ

御詮議ニ及ハレ可然モノト存候

問合案

朝鮮総督府学務局長


1310

和歌山県伊都郡高野山

古義真言宗管長宛

京畿道京城府西四軒町一六六番地

所在貴宗光雲寺ノ本堂改築及

庫裏新築願ニ対シ客年十二月十七日

附及本年四月二十二日附ヲ以テ事実相

違無之旨添書相成候ニ付テハ願書

ニ具陳スル如ク総経費拾萬円ノ内五

萬円ヲ本山金剛峯ニ下付ヲ請願

ストアル事柄モ貴職ニ於テ御承認相


1311

成候モノト認定シテ処理致シ差支無

之儀ト思考致シ候ヘトモ他日本件下

付金ニ関シテ関係者間ニ意思ノ不一

致等有之候テハ種々支障ヲ生スル掛

念モ有之ニ依リ為念及御問合候也


1312

学第二八五号

大正十五年四月十二日

京畿道知事 印

学務局長殿

光雲寺増築ニ関スル件

二月十二日付御照会ニ係ル首題ノ件夫夫

訂正再提出候ニ付取調候処右光雲寺ハ

朝鮮ニ於ケル真言宗ノ伝道本部ニ決定シ

同校(ママ)ノ普及ニ従事セムトスルモノニ有之漸次信徒増加

ト共ニ現在ノ建物ニテハ狭隘ヲ感シ増築ノ必要有之

モノト相認候得共其ノ工事ニ要スル経費ノ出所ニ関シ

テハ確定セルモノナク寄附募集ノ如キモ予定ノ収入ハ

困難ナルモノト相成候条可然御詮議相成度及

進達候也


1313

光雲寺増築願ニ関スル件

学務局長

京畿道知事宛

二月四日附学第一二八七号ヲ以テ経由進


1314

達相成候首題ノ件左記ノ廉不備ニ付

書類ヲ完備再出願セシメラレ度願

書一応返戻此段及照会候也

一 光雲寺住職ノ談ニ依レハ今回境内ヲ

拡張シタル場所ニ本堂ヲ増築スルモ

ノナルガ如シ果シテ然ラハ境内ノ面積増

加ニ付テモ併セテ寺院規則第十条第

五項ニ依リ許可ヲ受クル手続ヲ為サ

シメラレタシ


1315

一 改築ヲ増築トスル方通常ト認メラルゝニ付訂

正セシメラレタシ

一 増築ノ理由ニ付内容ヲ詳記セシメラレタ

一 増築ニ要スル経費トシテ確実ナル収入計

算明細書ヲ添付セシメラレタシ

一 寄附金五萬円募集ノ可能性ヲ有

スルカ其ノ内容ヲ詳記セシメラレタシ

一 出願ノ日附ヲ脱ス

一 檀信徒総代三人以上ヲシテ連署セシ


1316

メラレタシ

以上再出ノ場合本件ニ対スル貴管ノ御意

見副申相成度候


1317

本堂及庫裏増築許可願

京城府西四軒町一六六番地

古義真言宗高野派光雲寺

右寺今般宗派本山ト協議ノ上境内地ヲ増加シ本堂

及庫裏ヲ増築シ真言宗朝鮮京城高野山別院ト

シテ全鮮ノ伝道本部ニ充当スルコトニ決定致候然ル上

ハ従来ノ本堂及庫裏ニテハ甚タ狭隘不便ナルヲ以テ別紙

図面ノ如ク増築致度候間御許可被成下度事由

ヲ具シ此段奉願上候也

事由

一、現在ノ堂宇及庫裏ノ処分

現在ノ侭存在セシメ護摩堂トシテ使用ス

二、増築総経費

金拾萬円也  別紙詳記添付

三、同上支出内譯

金五萬円也  本山金剛峯寺下付ヲ請願ス

金参萬円也  重ナル檀信徒ノ特志寄附

金弐萬円也  一般寄附募集

四、増築仕様書

別紙添付

五、建物図面

別紙添付

六、宗派管長ノ添書

別紙添付


1318

七、起工

大正十五年四月三十日

八、落成

大正十九年四月三十日

以上

大正十五年三月二十二日

古義真言宗高野派光雲寺住職

澤光範

京城府明治町一丁目十番地

小林勝右衛門

京城府新町拾七番地

北野善造

京城府本町弐丁目参番地

尾崎勝三郎

同本町壱丁目参拾番地

城臺一六

京城府南米倉町弐拾四番地

池尻林太郎

朝鮮総督子爵斎藤実殿


1319

第一六九号

添書

朝鮮京城府西四軒町

古義真言宗光雲寺

住職澤光範

一、庫裡新築願之件

右事実相違無之候條添書候也

古義真言宗管長

大正十五年四月二十二日 大僧正泉智等 印

朝鮮総督

子爵 斎藤実殿


1320

第五十号

添書

朝鮮京城府西四軒町

古義真言宗光雲寺

住職澤光範

一、本堂改築願之件

右事実相違無之候條添書候也

真言宗高野派管長

大正十四年十二月十七日 大僧正泉智等 印

朝鮮総督殿


1321

高野山別院建築予算書

本堂  壱百拾壱坪

庫裏  七拾九坪七合五勺

一 金拾萬円也

内訳

名称 敷地買収費  数量 坪二一〇、〇〇〇

単価 三〇円四   小計 六、三〇〇円〇

石垣 数量 面坪 一二二、七五

単価 一八、    小計 二、二〇九円五

上リ段 数量 二、〇〇〇

単価 二、四    小計 五五〇円〇

盛土  立坪 一〇〇、〇〇〇

単価 二、四    小計 二四〇、

消防工事 石垣共  小計 三、000、0

本堂地盤及地量盛土石段  数量 一、000

小計 三、八五〇、〇

本堂建築費  坪 一一一、〇〇〇

単価  五二〇、  小計 五七、七二〇、〇

庫裏建築費  坪 七九、七五

単価  二六〇、  小計 一八、七三五、〇

仏像仏具      小計 五、〇〇〇、〇

諸雑費       小計 二、三九五、五

計      一〇〇、〇〇〇、〇


1322~1323

図面


1324

寄附金収入内訳

一 金拾萬円也   総予定額

内 金五萬円也   金剛峯寺下附金請願中

本山金剛峯寺会計法ハ宗会ノ協賛ヲ経ルモノニシテ下附金請

願ハ裁用サレルモノト確信ス

金参萬円也   重ナル檀信徒ノ特志寄附

已ニ五拾名ニ依ツテ壱萬五千円ノ寄附ヲ契約セリ残

額壱萬五千円ハ四百五拾名ノ檀信徒ニ依リ趣スク

募集シ得ルモノト信ズ

金弐萬円也   一般寄附額

五拾名ノ実力及信用アル当寺ノ世話係ニ依ツテ

京畿道内ノ有縁故ノ信仰者ヨリ任意ノ寄附ヲ

受クル事是亦容易ナルコトゝ信ズ

右寄附金収入ノ内訳申添ヱ候也

大正十五年四月五日

京城府西四軒町百六拾六番地

光雲寺住職 澤光範