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記事題目

「移植民の宗敎政策 浅野氏の所論注目さる 人口問題全國協議會」

作者

雑誌名

『中外日報』

号数等

年月日

1938年11月9日

本文

財團法人人口問題研究會の第一回全國協議會は既報の如く去る四、五の両日東京神田一ツ橋の商大講堂竝に如水會館を會場に開催され、愈よ國立人口問題研究所の設置を決議する處があつたが、その全五部會を通じ、宗敎に關聯せる唯一の研究發表として第四部の移植民の問題の部で佛敎社會學提唱の浅野研真氏は「移植民と宗敎の問題」を論じ殊に軍事工作の後を承る大陸文化工作内視宣撫工作等とも關聯して宗敎政策、宗敎家の役割の重且大なるものあることを強調、武器を揮つた後の法器による整○工作こそ大陸の畫竜点睛であり、また曾て海外移殖地への触手として宗敎家を利用せる國家政策は今は全く時代錯誤のものとなり宗敎、宗敎家の随伴なくしては移植民政策の不完全を免れ得ぬことを力説し、注目を惹いた。
氏は、移植民政策の指導原理として所謂同化主義は今日問題とならず現に北支に展開されつつあるその土地の自治助長主義をとるべきであり、次の段階として漸進融合主義(主としてい民族間の通婚政策によるもの)を適當とするとなし、その實践的プログラムとして移民、植民それおぞれの場合に於ける幾多宗敎政策を實例に徴し、外務省統計等により考証し、就中滿洲への移民(特殊的移民)は今後二十年計畫で五百萬移民を實行すべきでありその千人について尠くとも一人の開敎使を送り精神的指導に當らしむべきであることや同時に異民に対する二つの宗敎政策(喇嘛敎回敎)について些細に検討、注意を喚起した。

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