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記事題目

「在鮮曹洞宗敎團が 百萬圓の財團を組織し 總監と宗務とから独立を企つ」

作者

雑誌名

『中外日報』

号数等

年月日

1922年1月28日

本文

在鮮曹洞宗布敎所四十餘箇の布敎師は開敎總監中村氏の布敎方針に就いて不滿を抱いて居つたが遂に結束を固め全鮮布敎師二十五名と鮮人側代表者五名は先般朝鮮ホテルに独立に關する大會を開きたる結果を齎らし明春早々實行委員參名を東上せしむる事に決した。
独立計畫の内容は朝鮮に於ける洞宗布敎師は別院管轄を脱し總監の干渉を離れて財團法人曹洞宗朝鮮本部を組織し經済を独立して基本金百萬圓を積立つる計畫を立て、布敎師の手當は本部より支給し公称寺院及布敎所は住職主任者の意志に依つて處致せられ徒らに転任を行はず萬一布敎師に不都合の行爲ある場合は本部の決定に依り管長の處分を申請する事にしたが細目は九名の委員に付託し目下制定中である。
独立計畫の動機は今春山口曹洞宗第參學林學生が鮮地旅行の際別院に一泊を許したるも二泊を許さず拒絶されたので止むなく本願寺別院に宿泊し優遇を受けたるより曹洞宗別院の冷酷を憤り曹洞宗議會に建議し總監の不都合を訴へ在鮮布敎師の心事を疑ひし事が動機となつて在鮮布敎師は中村布敎總監の不都合を激昂し遂に此の結果に至りしもので當局としては寧ろ之れが動機となつて百萬圓財團の独立布敎本部の組織さるゝ事を歓迎して居るらしいと。

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