植民地朝鮮の日本人宗教者
記事題目
「朝鮮佛敎團事業 本年の概況」
作者
雑誌名
『中外日報』
号数等
年月日
1925年8月30日
本文
従前朝鮮佛敎大會と称した財團法人朝鮮佛敎團は今年度事業の一つとして内地佛敎見學團を派遣したが今其の大正十四年度事業の概要は左の如し。
△敎化事業(一)「敎務顧問巡錫」これは内地より財團の顧問となつて居る人に依頼するのであるが最初として大西良慶氏が招かれることゝなつて居る。(二)「巡回布敎」團所属關係の布敎師が常に各方面に布敎する。(參)「活動写真」まだこれはそなへていないが近く開始する(四)「文書宣伝」雑誌朝鮮佛敎を初め釈尊御絵伝一萬、經典一萬部を印刷し團員に頒ちかつ朝鮮語文のそれも出して居る。(五)「講演會」同團の會館で毎月參回例會を開き鮮人僧侶が婦人に佛敎講演をして居る、その他特別講演は知名の士に委嘱して時々催す、而して本年度の以上の敎化事業費として六千圓をあてゝ居る。
△社會事業(一)「敬老會」時々老人を招待して慰安會を開いて居る(二)「施藥」これも相當成績を擧げて居る。(參)「養蚕のの奨励」は霊肉共済の意味を加へた産業中に布敎をなし得るといふことから始めようとして居る。以上の社會事業費が本年は二千六百圓を經費としてあると。
△布敎學生派遣 これは本紙の縷縷報じたところで本年度は五名の學生を内地の各大學専門學校に派遣した、その豫算は二千百五十圓
△講習會 鮮内各地にある鮮僧の爲めに社會事業及び佛敎講座を京城で開くことになつて居て本年度は六百八十八圓を豫算して居る。
△佛敎講座 目下盛んにやつて居るものゝ一つで毎月二回同團本部で爲して居る。
△機關雑誌は所謂「朝鮮佛敎」で已に第十六號まで出して居る△内地見學團 目下京阪地方を巡回して居る それで毎年五名位の鮮僧を派遣するのである△支部設置 同團としては本年度の最大の事業の一つで本年中に東京に一ヶ所と鮮内では義州平壌大邸釜山の四ヶ所に設置することゝなつて居るが漸次これは内地の各枢要地と朝鮮十參道の各都市及び郡面○里にまで及ぼそうといふ計畫で最も力をそゝぎ目下着々成功して居ると。