植民地朝鮮の日本人宗教者
記事題目
「朝鮮佛敎團彙報」
作者
雑誌名
『朝鮮佛敎』
号数等
22
年月日
1926年2月
本文
□建國祭參列
二月十一日紀元節に當り建國の大精神を發揮し、國民精神の振作の爲め全國に亘り、大建國祭を擧行することになつてゐるが、京城でも京城府廳主催の下に、各學校團體及び一般市民に參列せしむることゝなり、朝鮮佛敎團にでも團員一同揃つて參列することになつた。
□佛敎講座開講
朝鮮佛敎團主催の佛敎講座は去年十二月十九日を以て大正十四年度の講義を了え、當分休講してゐたが、更に二月七日午後七時より十五年度初まりの始講式を擧げた。講師はその佐々木淨鏡氏擔任となり、講本は大乗起信論である。
□朝鮮佛敎團大正十五年度事業概況
本團に於ける大正十五年度の事業概況左の如し
(1)、講演會の開催
(イ)定例講演 本團會館に於て毎月參回例會を開き鮮人僧侶をして鮮人に對し佛敎講演をなさしむ
(ロ)特別講演 知名の人士又は僧侶を招待して内鮮人の爲めに臨時に特別講演會を開く
○經費餘算 五百參拾八圓
(2)、講習會の開催
鮮内に於ける本團各支部に常設布敎師の配置を見るに至るまで便宜佛敎講演等を行ふ場合之に當る適任者に對し必要なる修養に資する爲め鮮人僧侶等の希望者中適當なる者を選抜し京城に招集して佛敎及社會事業に關する講習をなさしむ
○經費餘算 七百七拾圓
(3)、佛敎講座を設く
佛敎を研究せんとする者の爲に本團會館に於て毎月二回佛敎講座を開き内鮮人をして聽講せしむ
○經費餘算 百七拾圓
(4)、敎化事業
(イ)敎務顧問 本團敎務顧問を内地より招聘して各地を巡鍚す
(ロ)巡回布敎 内鮮僧侶中より適當なる者を選抜して本團支部所在地等の巡回布敎を委嘱す
(ハ)活動寫眞 活動寫眞機を携帶各地講演の際之を使用す
(ニ)佛敎宣傳
1、御繪像頒布 御繪像一萬部を印刷して團員に頒布す
2、經典の頒布 經典の一節を鮮文を以て解釋布衍し五六頁の小冊子として印刷し之を團員等に頒布す
甲種。高尚なるもの 五千冊 二回發行
乙種。平易なるもの(諺文)一萬五千冊 二回發行
3、花祭 本團に於て花祭を施行し又カード二萬枚を印刷して之を各支部に送付し花祭施行の際配布せしむ
4、秋夕會 舊八月十五日京城郊外に於て秋夕會を催し鮮人の爲め其の祖先の精靈を弔ふ
○經費餘算 四千五百五拾圓
(5)、機關雑誌の發行
大正十四年度に引續き本團の機關として「朝鮮佛敎」と題する雑誌(國文鮮文両種)を發行し本團の事業を宣傳すると共に朝鮮佛敎界の状況を内地に佛敎界の状況を朝鮮に紹介し其の他佛敎と文學、美術、工藝、産業等の關係を關明せんとす
○經費餘算 六千圓
(6)、布敎學生派
本團の目的たる佛敎普及の爲め將來布敎に從事するものを養成す大正十四年度に於ては東京に五名派遣して各宗敎大學専門部に入學せしめたるが本年度に於ては十名を東京及京都に派遣せんとす
○經費餘算 七千八百圓
(7)、社會事業
施藥 適當にして信用ある賣藥を備へ置きて罹病者に施興す
○經費餘算 一千圓
(8)、内地佛敎見學團
鮮人僧侶又は佛敎篤信者中より選抜して内地に派遣し内地佛敎界の状況等を見學せしむ
○經費餘算 六百圓
(9)、支部設立
(イ)内地支部 東京、京都其の他樞要の地に設置する豫定にして大正十四年度に於ては東京に設置したるが本年度に於ては京都に設置せんとす
(ロ)鮮内支部 各道廳所在地其の他樞要の地に支部を設置する豫定にして大正十四年度に於ては平壌、新義州、大邱、釜山に設置したるが本年度に於て道廳所在地六ヶ所に設置する豫定なり
○經費餘算 貳千六百六拾圓