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記事題目

「海外伝敎協會設立の希望」

作者

法學士 小倉畔參郎

雑誌名

『明敎新誌』

号数等

年月日

1894年8月8・10・12日

本文

京都に海外宣敎會なるものゝ設立あるを聞くも其在て無きが如く微々として毫も振はざる所以のものは未だ其基礎の確定せず其方法の一定せざるに源因せずんばある可らず而して餘の所謂る基礎とは海外伝敎協會なるものを東京若くば京都に設立するに在り又其方法とは一該協會より海外に伝敎師を派遣すること二伝敎師は協會に於て別に之を養成すること參佛書を外國語に著述若くは反訳の上印刻して盛に之を海外に輸出すること是れなりとす
外國布敎に従事するは報國義務を盡すものにして今日我陸海軍の兵士が國家の爲めに遠く海外に在て身を斃すと其間に軽重の差異ありと其趣旨一なり英米佛の伝敎師が遠く異邦に在て一命を投打て宣敎の業に従事するは皆な宗敎の爲めなりと雖も亦本國の爲めにするに非らざるはなし何となれば外征と云ひ海外伝敎と云ひ均しく國家の光栄を增進するの事業なればなり

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