植民地朝鮮の日本人宗教者

第一條　本法人ハ財團法人朝鮮佛敎團ト稱ス
第二條　本法人ハ朝鮮ニ於ケル佛敎ノ振興普及ヲ圖リ人心ヲ敎化善導ヲ民衆ノ福祉ヲ增進スルヲ以テ目的トス
本法人ハ前項ノ外必要ニ應ジ附帶事業トシテ敎育、慈善其ノ他ノ社會事業ヲ行フコトヲ得
第參條　本法人ハ其ノ事務所ヲ京畿道京城府長谷川町十七番地ニ置ク
第四條　本法人設立ノ日ニ於ケル基本財産ハ別紙目録ノ通トス
第五條　左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ之ヲ本法人ノ基本財産ニ編入ス
一　特ニ基本財産トシテ本法人ニ寄附セラレタル財産
二　歳計剰餘金ニシテ翌年度ニ繰越使用ノ必要ナキモノ
第六條　本法人ノ目的遂行上基本財産ヲ處分セムトスルトキハ理事參分ノ二以上ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第七條　基本財産ハ最モ安金且確實ナル方法ニ依リ之ヲ管理スルモノトス
第八條　本法人ノ財産ヨリ生ズル果實其ノ他ノ収入ハ之ヲ普通財産トシ第二條ノ目的ノ爲ニ使用スルモノトス但シ特ニ用途ヲ指定シタル寄附財産ハ此ノ限リニ在ラズ
第九條　本法人ニ理事十五名監事參名ヲ置キ其ノ任期ハ理事參年、監事二年トス但シ重任ヲ妨ゲズ
第十條　理事中一名ヲ互選シ之ヲ財團法人朝鮮佛敎團々長（以下團長ト略稱ス）トス
團長ハ法人ヲ代表シ理事會ヲ招集シ其ノ議長トナリ其ノ他理事會ニ關スル一切ノ事務ヲ處理ス
理事會ニ於テハ常任理事ヲ互選シ法人ノ事務ヲ分擔セシムルコトヲ得
第十一條　理事及監事ニシテ滿期改任、又ハ辭任死亡其ノ他ノ事由ニ依リ缺員ヲ生ジタルトキハ設立者又ハ團長之ヲ指定ス但シ缺員補充ノ場合ニ於テハ其ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
團長タル理事ハ任期滿了後ト雖後任者ノ就任スル迄ハ其ノ職務ヲ行フモノトス
第十二條　理事會ニ於テ議決スベキ事項ハ豫メ各理事ニ通知スルモノトス
理事會ニ於テハ理事會全員ノ同意アルニ非ザレバ通知以外ノ事項ニ付議決スルコトヲ得ズ
第十參條　本寄附行爲ヲ變更セムトスルトキハ理事參分ノ二以上ノ同意ヲ得主務官廳ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第十四條　本法人ヲ解散セムトスルトキハ理事參分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十五條　本法人ノ解散ノ場合ニ於ケル所屬財産ハ理事會ノ議決ニ依リ本法人ト同一又ハ類似ノ事業ノ爲之ヲ處分スベシ
第十六條　本法人設立ノ際ニ於ケル理事及監事ハ設立者之ヲ指定ス
（以上）
（別紙）
基本財産目録
土地建物ノ部
京畿道京城府茶屋長百二十參番地
一　■貳百六拾貳坪
同地上
一　朝鮮式木造瓦葺平屋建一棟（建坪參十二坪一合）
一　同　一棟（建坪十九坪四勺）
一　同　一棟（建坪七坪六勺）
一　同　一棟（建坪參坪參合一勺）
一　土造鐵板葺平屋建一棟（建坪參坪五合六勺）
此土地建物價格壹萬四千六百六拾五圓也
　現金ノ部
一金八萬五千參百拾五圓也
　以上寄附行爲ニ依リ小林源六提供
　　京畿道京城府南大門通二丁目百二十參番地
　　財團法人朝鮮佛敎團設立者　小林源六
財團法人朝鮮佛敎團役員人名（イロハ順）
團長　男爵李允用　　副團長　男爵韓昌洙　　同　　前田昇
●顧問
侯爵　朴泳孝　　公爵　徳川家達　　侯爵　徳川頼倫　　侯爵　李完用　　　子爵　李夏榮
岡田良平　　　　子爵　權重顯　　　子爵　清浦奎吾　　子爵　澁澤榮一　　下岡忠治
男爵　閔泳綺
●敎務顧問
磯野日筵　　　　　泉　智　等　　　伯爵　大谷光演　　大谷尊由　（常務）大西良慶　
吉田源應　　　　　高楠順次郎　　　武藤範秀　　　　　山下現宥　　　　　五葉愚溪　
新井石禪　　　　　　佐伯定胤　　　澤柳政太郎　　　　北野元峰　　　　　道重信敎
澁谷隆敎　　　　　　廣瀬賢信
●敎務相談役
石堂惠猛　　　　　　桂本瑞俊　　　太田深澄　　　　　大谷愍成　　　　　奥　博愛
岡田敎篤　　　　　　高林玄實　　　龍山嚴雄　　　　　栗木智堂　　　　　窪川旭丈
旭　純榮　　　　　　木下寂善　　　湯澤龍岳
●理事
白寅基　　　　　　　富田儀作　　　男爵　李允用　（常務）李元鍚　　　　男爵　韓昌洙
李翼敎　　（常務）中村健太郎　　　釘本藤次郎　　　　大和與次郎　　　　前田　昇　
（常務）小林源六　　　呉斗煥　　　　荒井初太郎　　　　中應凞　　　　　　芮宗鍚
●監事
和田常市　　　　　　韓相龍　　　　山口太兵衛
（其他略）