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植民地朝鮮の日本人宗教者
記事題目
「韓國伝道を評す」
作者
南水生
雑誌名
『敎學報知』
号数等
年月日
1898年3月25日
本文
本願寺は滿韓の野に開敎師を派する事既に久し、浄土宗亦數十名を送り、其他各宗各派皆競ふて開敎師を派遣し、多額の開敎費用を投じて伝道に従事せしめつゝあり、然るに極少數を除くの外其功績の見る可きものあるを聞かず、之れ一大恨事ならずやだ、是れそも何故であるか乎。
豫の家兄韓國龍山に居を卜し開拓に従事す、而して頃日私信あり其要に云ふ。
當龍山には佛耶二宗の敎會堂がある、而して基敎の宣敎師(内人と外人)は、土曜日曜の公開演説、家庭訪問、個人伝道社會事業等諸有方面に向て、熱心に動かされて信者となる者が多い、然るに之に反して佛敎伝道者は、僅に内國居留民に対して、單に申訳的に布敎するのみである。換言せば、真に佛陀の慈愛を宣伝し済世利民の實を擧げんが爲に非ずして、形式一遍の御役目的伝道である。だから敎線拡張は愚か、敎會の持續する尚困難の状態である。
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