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基督同信会朝鮮布教管理者設置届ノ件㉖0136-0174

0136

官報記載

基督同信会朝鮮布教管

理者設置届ノ件

官報掲載 案

布教管理者設置 基督

0137

同信会ニ於テハ全羅南道務安

郡一老面龍山里五拾七番地居

住園田千歳ヲ布教管理者ト定メ

タル旨大正十五年七月九日届出タ

0138

官報記

載ニアラ

各道知事ヘ通牒案

学務局長

各道知事宛

全羅南道務安郡一老面義山里居

住人見鹿太郎ヨリ基督同信会

布教管理者設置ノ旨大正十五年

七月九日附ヲ以テ届出ニ依リ取調ノ上

内地ノ振合ニ依リ右同信会ヲ一派ノ

教団ト認メ候ニ付左記各項及通牒候也

0139

一、宗教ノ名称

基督同信会

二、教規

基督同信会ニ於テハ別ニ教規ヲ

設ケス聖霊ニ依リ聖書ノ教エル純

福音ヲ信シ各自心霊ノ修養ヲ勉

ムルニ在リ其ノ他詳細ハ別紙ノ通

三、布教ノ方法

全羅南道務安郡一老面龍山里

三郷基督集所ニ於テ毎日曜日午

0140

前日鮮信徒一同会合礼拝説教ヲ

ナシ且ツ地方信徒家庭集会及ヒ個

人訪問伝道等ヲ為ス

四、布教管理者ノ権限

基督同信会ニ於テハ集会信徒一同

ノ推薦ニ依リ布教管理者ヲ定ム

ルモ其専断ヲ許サス凡テ信徒ニ謀

リ其協議ニ頼ルモノトス

五、布教者監督ノ方法

基督同信会ニ於テハ集会信徒一

0141

同ノ推薦ニ依リ布教者ヲ定ムルモ其

布教者ハ直接聖霊ノ指導ノ儘ニ

布教スルモノニシテ其監督ヲ必要トセス

若シ布教者ニシテ聖書ノ教エル純福

音ノ道軌ヲ逸スルガ如キコトアル場合

ハ集会信徒一同ノ協議ニ依リ之ヲ

戒直スルモノトス

六、布教事務所ノ位置

全羅南道務安郡一老面龍山里

七、布教管理者氏名

0142

園田千歳

以上

起案ノ理由

本件届出ヲ審査スルニ本教ハ元

「プレマスブレズレン」ト称シ内地ニ於テハ

「日本基督同胞教会」ト公称セシモノ

ナルガ昭和元年末新ニ「基督同信会」

ト改メ爾来日本基督同胞教会以外

ノ一派トシテ取扱フコトトナリタルモノ

0143

ニシテ教勢尚微弱ナルモ本教会ハ内

地ニ於ケル基督同信会ノ決議ニ依リ

布教其ノ他ノ行動ヲ為スモノニテ本人ハ

其ノ履歴上一教ノ統轄者トシテハ稍ヤ不

充分ノ感アルモ本教ハ聖書ニ基キ届

出ノ各項ヲ他ノ羈束ヲ受ケス特立シテ

処理スル一派ノ教団ニシテ別ニ不都合

ノ廉ナシト認メラレ候ニ付此儘御是認相

成可然哉依テ前記各案ヲ具シ御

高裁候

0144

布教管理者設置届

今般布教管理者ヲ設置致候ニ付布教規則第七条

第二項第六条第二項ニ依リ左記事項ヲ具シ此段及御

届候也

大正十五年七月九日

全羅南道務安郡一老面義山里

栄和農場代表者

三郷基督集会信徒総代

人見鹿太郎

(但シ基督同信会ニ於テハ各地集会ハ個々別々聖霊ノ指

導ニ俟ツ而巳ニシテ管長等ノ如モノナシ)

朝鮮総督子爵斎藤実殿

一、宗教及其教派ノ名称

基督教、其教派ハ世界的ニ所謂プレマスブレズレン基督同信会

二、教規プレマスブレズレン基督同信会ニ於テハ別ニ教規ヲ設ケズ聖霊ニ依リ聖書ノ

教ユル純福音ヲ信ジ各自心霊ノ修養ヲ勉ムルニ在リ

三、布教ノ方法

全羅南道務安郡一老面龍山里三郷基督集会所ニ於テ

0145

毎日曜日午前日鮮信徒一同会合礼拝説教ヲナシ且ツ地

方信徒家庭集会及個人訪問伝道等ヲ為スナド以上ノ

方法ニ依ル

四、布教管理者ノ権限

プレマスブレズレン基督同信会ニ於テハ集会信徒一同ノ推薦ニ依リ布教

管理者ヲ定ムルモ其専断ヲ許サズ凡テ信徒ニ謀リ其協議ニ頼ル

モノトス

五、布教者監督ノ方法

プレマスブレズレン基督同信会ニ於テハ集会信徒一同ノ推薦ニ依リ布教

者ヲ定ムルモ其布教者ハ直接聖霊ノ指導ノ儘布教スルモノニシテ

其監督ヲ必要トセズ若シ布教者ニシテ聖書ノ教ユル純福音

ノ道軌ヲ逸スルガ如キコトアル場合ハ集会信徒一同ノ協議ニ依

リ之ヲ戒直スルモノトス

六、布教事務所ノ位置

全羅南道務安郡一老面龍山里三郷基督集会所ヲ以

テ之ニ充ツ

七、布教管理者氏名

全羅南道務安郡一老面龍山里五十七番地

園田千歳

以上

0146

履歴書

原籍 熊本県玉名郡樋島村大字樋島千八百八拾六番地

現住所 全南務安郡一老面龍山里五拾七番地

園田千歳

明治二十九年八月八日生

一、学業 明治参拾六年四月玉名郡樋島尋常高等小学

校ニ入学、同四拾四年同校高等小学ノ全課程ヲ卒業ス

一、信仰経歴 大正参年拾月熊本県元代議士三津家

伝之氏其他同県有力者多数ノ経営ニ係ル全南珍島郡

珍島殖産株式会社ノ干拓締切工事ノ為メ渡朝、同工事

ニ携ル事八年、超ヘテ大正拾一年六月当栄和農場

代表者人見鹿太郎氏ノ招聘ニ依リ同農場干拓工事

ニ従事スルカタワラ基督ノ福音ヲ聞キ主ノ十字架ノ真

理ヲ味ヒ深ク感激措ク能ワズ是コソ我等全人類ノ信ジ

仰グベキ真理(まこと)ノ神デアリ又、活ケル宗教デアル事ヲ確信シ

洗礼ヲ受ケテ基督信者トナル

然シテ爾後キリストヲ信ズル日鮮諸氏等ト交リ倶ニ聖書

ニ親テ学バシメラレ活神キリストノ救極ト愛ヲ教エラレ其ノ

恩寵(めぐみ)ト真理(まこと)ニ浴シ今日ニ至ル

一、賞罰 無シ

右ノ通リ候也

大正拾五年六月拾七日

右 園田千歳

0147

基督教中「プレマスブレズレン」ニ

関スル件

学務局長

文部省宗教局長宛

0148

全羅南道務安郡一老面ニ根拠ヲ

有スル三郷基督集会信徒総代人見

鹿太郎ヨリ「プレマスブレズレン」ノ教旨ヲ

宣布スル為布教管理者設置ノ件別紙

ノ通申出候処貴局ニ於テハ右「プレマス

ブレズレン」ヲ独立ノ一派ト認メテ御取扱

相成居候哉御手数ナカラ御回報相煩

ハシ度及照会候也

追テ御回報ノ節ハ別紙布教管理者

設置届御返戻相成度申添候

0149

文部省

官宗四八号

大正十五年九月二十日

文部省宗教局長 下村壽一

朝鮮総督府学務局長殿

八月十二日付御照会ノ「プレマスブレズレン」ハ日本基督同胞教会

ノ名称ヲ以テ基督教中ノ一派ト認メ取扱ヒ居ルニ付右御了知相成度

追テ別紙布教管理者設置届返戻ス

(終)

0150

布教管理者設置届ニ

関スル件

学務局長

全羅南道知事宛

0151

七月十三日貴庁経由貴管下務安

郡一老面義山里栄和農場代表

者人見鹿太郎ヨリ三郷基督集会信

徒総代トシテ「プレマスブレズレン」ノ

教旨ヲ宣布スル為布教管理者

設置ノ件別紙ノ通申出候処内

地ニ於テハ「プレマスブレズレン」ト称

スル教派名ヲ「日本基督同胞教会」

ト公称スル事ニ相成居ヲ以テ朝

鮮ニ於テモ右同様ノ公称名義ヲ用

0152

ユル事ニ致度候間右之趣届出人

ニ御指示ノ上相当訂正セシムル

様御取計相成度依テ関係書類

一応返戻及照会候也

0153

学第四〇二号

昭和元年十二月二十八日

全羅南道知事

学務局長殿

布教管理者設置届ニ関スル件

九月三十日附ヲ以テ御照会相成候首題ノ件ニ関シ本人ヨリ別紙ノ通

陳情致候條一件書類添付及進達候也

0154

陳情書

大正十五年七月九日付別紙諸届書ニ対シ同年十一月一日付

ヲ以テ「プレマスブレズレン」ト称スル教派名ヲ「日本基督

同胞教会」ト訂正ノ上提出可致旨ヲ以テ該書類却

下相成候処其性質タルヤ日本基督同胞教会ト

ハ全然別種ノモノニ有之而シテ内地ニ於テ我等ト信仰

ヲ同等ニスルモノ頗ル多ク彼等総代タル者本年十月東

京市ニ集合シ評議ノ結果「基督同信会」ヲ教

派名トシ其筋ノ諒解ヲ得已ニ届済ニ付別紙諸届

書中「プレマスブレズレン」トアルヲ基督同信会ト訂

正致候間可然御取計ヒ相願度此段陳情候也

大正十五年十一月二十九日

全羅南道務安郡一老面義山里

栄和農場代表者

三郷基督集会信徒総代

人見鹿太郎

朝鮮総督子爵斎藤実殿

0155

別紙

陳情書

写添付

基督教教派名ニ関スル件

朝鮮総督府学務局長

文部省宗教局長宛

全羅南道ニ根拠ヲ有スル三郷

0156

基督集会信徒総代ヨリ基督教

「プレマスブレズレン」ノ教旨ヲ宣布スル

為布教管理者設置ノ件申出ニ付

「プレマスブレズレン」ノ教派名ニ関シ曩

ニ及御問合候処大正十五年九月二十

日附官宗四八号ヲ以テ「プレマスブレズ

レン」ハ日本基督同胞教会ノ名称ヲ

以テ基督教中ノ一派ト認メ御取扱ノ

旨御回答ノ次第モ有之候ニ付右様

名目ヲ訂正スヘキ旨ヲ指示シ書類

0157

差戻候処今回別紙陳情書写ノ通

大正十五年十月評議ノ結果「基督同

信会」ヲ教派名トスルコトニ定メ已ニ届

済ノ趣申出候ニ就テハ貴局ニ於テ

「基督同信会」ヲ一派ノ教派名トシ

御取扱ヒ相成居候哉否御手数ナカ

ラ至急御回報相煩シ度及照会候

0158

文部省

官宗一一号

昭和二年三月二十五日

文部省宗教局長 下村壽一

朝鮮総督府学務局長殿

二月四日付ヲ以テ基督教「プレマス、ブレズレン」ノ教派名ニ関シ

再ヒ御照会相成タル処右ハ従来日本基督同胞教会所属ノモノトシテ

扱ヒ候処客年末新ニ「基督同信会」ナル名称ヲ具シ其教義要網信仰

箇條ヲ提出シ一派取扱ヒ方ヲ願出タルニ依リ爾来日本基督同胞教会

以外ノ一派ト認メ取扱フコトトセルモ教勢尚微弱ナル為本省統計報

告等ニハ其派名ヲ掲記セス『其ノ他』ノ項中ニ包含取扱ヒ居ルモノ

0159

文部省

ニ付右御了知相成度

(終)

0160

基督同信会布教管理者

設置ニ関スル件(有添付物)

朝鮮総督府学務局長

全羅南道知事宛

0161

昨年十二月二十八日附ヲ以テ布教管理者

設置ニ関シ本人ノ陳情書ヲ添ヘ御進

達相成候処右ハ内地ニ於テ従来「プレマ

ス、ブレズレン」ハ日本基督同胞教会所属

ノモノトシテ取扱ヒ居候処客年末新ニ

「基督同信会」ナル名称ヲ具シ其ノ教

義要網信仰箇條ヲ提出シ一派ノ取扱

ヒ方ヲ願出テ爾来日本基督同胞教会

以外ノ一派トシテ取扱ヒヲ受ケ居候趣ニ付

朝鮮ニ於テモ右同様教義要網信仰

0162

箇條ヲ豫メ了知シ置クノ必要有之候間

右之趣届出人ニ御指示ノ上届書中

ヲ相当訂正セシメ且ツ教義ノ要領及信

仰箇條ヲ記載セル文書ヲ提出セシムル

様御取計相成度依テ関係書類一応

返戻及照会候也

追テ本教会ハ内地ニ於ケル基督同

信会ノ決議ニ依リ布教其ノ他ノ

行動ヲ為スモノナリヤ否御取調

御回報相成度候

0163

学第四〇二号

昭和二年七月八日

全羅南道知事

学務局長殿

基督同信会布教管理者設置ニ関スル件

四月十二日附ヲ以テ御照会相成候首題ノ件別紙ノ通同会会則並沿革

書ヲ徴シ進達致候條可然御取計相成度及回報候也

追テ同教会ハ内地ニ於ケル基督同信会ノ決議ニ依リ布教其他ノ行

動ヲ為スモノニ有之候條御了知相成度申添候

0164

回答書

昭和二年五月三十日付ヲ以テ当三郷基督集会布教

管理者設置届書類御却下ニ相成其理由トシテ内

地ニ於ケル基督同信会ノ決議ニ依リ布教其他ノ行

動ヲ為スモノナリヤ若シ然リトスレバ該教義要網信仰

箇條ヲ豫メ了知シ置クノ必要有之ニ付相当訂正ノ

上改メテ提出可致云々

当三郷基督集会ハ全ク内地基督同信会ト関聯

ノ下ニ同一ノ教義ニ依リ布教行動致候義ニ付同一主

義ノ内地各集会ヲ代表スル別紙基督同信会東京集会

規則並ニ基督同信会ノ沿革三通ヅゝ相添エ前御届書

類ヲ其儘提出仕リ候方便宜ト相信シ申候間可然御取

計ヒ相成度此段及御回答候也

昭和二年六月 日

全羅南道務安郡一老面義山里

栄和農場代表者

三郷基督集会信徒総代

人見鹿太郎

0165

基督同信会ノ沿革

本会ノ成立

明治二十二年二月東京市日本橋区ノ青年基督者数名ガ区

内ニ於ケル青年ヲ善導センガ為ニ一ノ会ヲ組織シ区内本銀

町ニ会場ヲ設ケ智育トシテ会員ニ英語ヲ教授シ体育トシテ

柔術ヲ指南シ徳育トシテ聖書ノ講義ヲ為セリ

其頃英国ケンブリッヂ大学卒業ノ青年宣教師ニシテ何派ニモ

属ゼザルエッチ、ヂー、ブランド氏ノ来朝セラルルアリ同氏ヲ招キテ

聖書ノ講義ヲ聴ケリ氏ハ聖書ニ基キテ基督教ノ真髄ヲ説キ

神ノ恩寵ノ福音ヲ語ル其ノ所説ノ真理ニシテ霊的ナル解釈

ニ感ジ来リ聴ク者漸ク加ハリ同年十月純然タル基督者ノ集

会ヲ形成スルニ至レリ是レ当集会ノ発端ナリ其後信徒ノ数

加ハリ明治二十七年六月神田区鎌倉町ニ会場ヲ移シ又明

治三十九年十一月神田区錦町ノ現所ニ転ジテ今日ニ至レリ

現今本会所属集会所及伝道所ハ東京、大阪、京都、神戸、

姫路、名古屋、横浜、弟ケ崎、浦和、堺等ニアリ

本会所属信徒ハ全国ニ亘テ壱千余名アリ尚ホ朝鮮ニ数

百名アリ

名称

父ナル神ヲ信ジ基督ヲ救主ト信ズル者ハ神ノ教会ニ属スルモノニシ

テ全世界ノ信者ハ霊ニ於テ一体ナリソコニ分派アルベキ筈ナシト

信ズルガ故ニ他ト区別セル何等ノ名称ヲ有セズ信徒ハ平等ニ

兄弟姉妹ト称ヘ集マル時ニハ聖書ニ因リ「主ノ名ニ集メラ

ルル」ト云ヒ集会所ヲ単ニ基督信徒集会所ト呼ビ来レリ

0166

附記 基督同信会ナル名称ハ集会所設立出願ノ便宜上新

タニ附セルモノナリ

教義

旧新約聖書一巻ヲ以テ教義信條トナシ別ニ教義ヲ制

定セズ又何等規則ラシキモノヲ設ケザリキ

儀式及集会

基督ヲ信ズル旨ヲ言現ハセル者アルトキハ其信仰ヲ確メタル上聖

書ニ基キ「バプテスマ」ヲ施セリ「バプテスマ」ハ教役者ニ限ラズ先

ニ基督者トナリタル者之ヲ施行セリ

毎主日(日曜日)「主ノ晩餐」ヲ守リ礼拝ヲ為ス信者ハ平等

ニ神ニ属ケル祭司トシテ選バレ直接ニ父神ト主イエス、キリスト

ヲ礼拝シ奉ルノ特権ヲ賦与セラレ此点ニ於テ教師ノ賜物アルモノト

平信徒トノ区別ナシト信ジ各自聖霊ノ示ス順序ニ従ヒ或ハ聖書

ヲ朗読シ或ハ賛美感謝礼拝ヲ為セリ

「主ノ晩餐」ニハ基督者ナレバ何人ニテモ与カルコトヲ得シム但異

端ヲ唱フル者不道徳ノ行為アル者ハ之ヲ拒絶シ又初メテノ列席

者ニハ他ノ紹介ヲ求メ新タニ「バプテスマ」ヲ受ケシ者ハ「主ノ晩

餐」ノ意義ヲ了解セシメテ後之ニ与カラシメ居レリ列席

者中志ヲ立テシメラレシ一人ハ進ンデパンヲ擘キ一同ニ分ツ事

ヲ為セリ

建徳会ニ於テハ聖霊ノ賜物ヲ受ケタル教師牧師伝道師ト認ム

ル信者ヲ通ジテ聖書ニ基ヅキ教ヲ受ル事勿論ナルモ聖霊ノ

導キノ儘ニ何人ニテモ教義ヲ説キ所感ヲ発表スルノ自由ヲ有セ

0167

伝道者ニ於テモ教役者ニ限ラズ何人ニテモ基督ノ福音ヲ證スル事ヲ為セ

リ土地ノ状況ニヨリ必要ニ応ジ日曜学校ヲ開設シテ信徒並ニ一般家庭ノ児

童ニ基督教々育ヲ施スコトヲ為セリ

教役者及布教ノ方法

基督ヲ信ジ救ハレシ者ハ之ヲ他ニ伝ヘテ同ジ恩恵ニ浴セシムル事ハ

基督ノ命ニシテ又福ヒナル義務ナルヲ確信シ各自福音ヲ宣伝セリ

但シ特ニ天職トシテ専ラ教役伝道ニ従事スル者ニ対シテハ之ニ生活及

伝道ノ費用ヲ給スルコトヲセリサレド贈与ノ契約ヲナサズ従テ金額ノ

定モナク受クル者モ与フル者モ双方共信仰ニ由リテ行ヒ来レリ

集会所ニ於テ聖書ヲ講ジ福音ヲ宣伝シ又ハ信者求道者ノ宅ニ於テ

或ハ路傍ニ於テ之レヲ為シ又定期刊行物及随時出版物ヲ以テ文書布教

ヲ為シ来レリ

管理及会計

本会ハ別ニ管理者ヲ定ズ全国信徒中ヨリ選出セラレタル代表者若

干名ノ会議ニヨリテ之レヲ管理セリ

会計主任ハ代表者中ヨリ互選ヲ以テ之ヲ定メ任期ハ一ケ年トシ重

任妨ゲズ

会計主任ハ全国各地集会及信徒ヨリ収納セル金銭ヲ保管シ又

之ガ支出ヲナス

各地集会ニ於テハ毎主日礼拝後函ヲ回シ他ニ知ラシメズシテ任意ノ

献金ヲ為サシム但シ伝道用及集会所費ノ二口ヲ設ケ伝道金

ハ之ヲ全国会計主任ニ送金シ集会所費ハ集会々計

掛之ヲ取扱ヒ来レリ

以上

0168

基督同信会東京集会規則

一 本会ハ基督同信会東京集会ト称ス

二 本会ハ事務所ヲ東京市神田区錦町三丁目二十四番地ニ置ク

三 宗教ノ名称ハ基督教ノ中基督同信会

四 本会ハ基督同信会教役者並ニ信徒有志ヲ以テ当集会所其

他便宜ノ処ニ於テ儀式ノ執行及教義ノ宣布ヲナシ又文書ヲ以テ伝道ヲナス

五 本会ノ集会ハ左ノ如シ

一 「主ノ晩餐」及礼拝ハ毎主日(日曜日)集会所ニ於テ之ヲ行フ

ニ 建徳会及伝道会ハ随時集会所其他適宜ノ所ニ於テ之ヲ開ク

三 祈祷会ハ毎週一回以上集会所其他適宜ノ所ニ於テ之ヲ開ク

四 感謝会、聖書講習会、婦人会、青年会等ハ随時集会所其他適宜ノ

処ニ於テ之ヲ開ク

五 日曜学校ハ毎日曜日集会処ニ於テ之ヲ開ク

六 本会ハ聖書ニ基キテ「バプテスマ」ノ式ヲ行フ

「バプテスマ」ヲ受ケントスル者アルトキハ二名以上ノ信徒ヲ以テ其信仰ヲ確メ

適当ト認メタル後教役者又ハ陪餐者信徒之ニ「バプテスマ」ヲ施ス

モノトス

七 「バプテスマ」ヲ受ケシ者ニシテ陪餐者タラント願フ者アルトキハ集会

ハ予メ二名ノ陪餐者ヲシテ「主ノ陪餐」ニ対スル辨ヘアルヤ否ヤ又聖

書ノ厳誡ニ背キタル行為ナキヤヲ調査セシメ適当ト認メタル上出

席信徒ノ同意ヲ得テ請容ルルモノトス

「主ノ陪餐」ハ陪餐者タル信徒之ヲ執行スルコトヲ得

八 陪餐者ニシテ聖書ノ真理ニ適ハザル異説ヲ唱ヘ又ハ聖書ノ厳

誡ニ背キタル行為アルトキハ聖書ノ教ニ基キ譴責若クハ陪餐停

0169

止ノ所分ヲ受クルコトアルベシ陪餐停止ノ処分ヲ受ケタル者ニシテ

改悛ノ状ヲ認メラレタルトキハ陪餐ヲ回復セラルルコトヲ得

九 信徒ハ信仰ニヨリテ応分ノ献金ヲナスモノトス

十 信徒ハ結婚就職転居其他重要ナ件ヲ管理者ニ届出ヅベキモノトス

十一集会ニ於ケル聖書朗読感謝祈祷賛美感話又必要ノ場合

ニ於ケル司会者ハ信徒之ヲ為スコトヲ得

十二信徒ノ葬儀結婚式等ハ教役者又ハ陪餐者ノ信徒之ヲ行フ

十三本会ノ管理及財産ノ保管ハ管理者之ヲ為スモノトス

但シ管理者ハ信徒中ヨリ信徒惣会之ヲ選出ス

十四本会ノ管理費及維持費ハ信徒ノ献金又ハ任意ノ寄附金ニヨリ

テ之ヲ支辨スルモノトス

十五本会ノ会計年度ハ一月一日ヨリ十二月三十一日マデヲ以テ一期トス

十六本会ノ収納金ハ会計係之ヲ保管シ管理費営繕費集会費伝

道費相愛費事務費雑費等ノ支出ヲナスモノトス

但シ出納ハ明細ニ記載シ毎年度末ニ於テ決算報告書ヲ作成シ

之ヲ関係ノ向ニ報告スルモノトス

十七毎月一回例会ヲ開キ諸般ノ打合セヲナシ又臨時事件ノ決議ヲナス

十八惣会ハ毎年一回開会スルモノニシテ信徒ハ凡て出席シテ議事

ニ与ルモノトス

以上

0170

基督同信会ノ提出書類ニ関

スル件

朝鮮総督府学務局長

文部省宗教局長宛

0171

基督同信会布教管理者設置ニ関

スル書類処理上必要有之候條本年

三月二十五日官宗一一号ヲ以テ御回報相

成候基督同信会ヨリ提出シタル同会

教義要網信仰箇條写一部至急御送付相煩度及照会候也

0172

文部省

官宗一一号

昭和二年八月十日

文部省宗教局長 下村壽一

朝鮮総督府学務局長殿

七月二十六日付ヲ以テ御照会ノ基督同信会幹部ノ者ヨリ差出セル同教会

教義写別紙送付ス

0173

基督同信会

名称

父ナル神ヲ信ジ基督ヲ救主ト信スル者ハ神ノ教会ニ属スルモノニシテ全世界ノ信

者ハ霊ニ於テ一体ナリ、ソコニ分派アルヘキ筈ナシト信スルガ故ニ他ト区別セル何等

ノ名称ヲ有セス、信徒ハ平等ニ兄弟姉妹ト称ヘ、集マル時ニハ聖書ニ因リ

「主ノ名ニ集メラルル」ト云ヒ、集会所ヲ単ニ基督信徒集会所ト呼

ヒ来レリ

附記 基督同信会ナル名称ハ集会所設立出願ノ便宜上新タニ

附セルモノナリ

教義

旧新約聖書一巻ヲ以テ教義信條トナシ別ニ教義ヲ制定セス、又何等

規則ラシキモノヲ設ケザリキ。

儀式及集会

基督ヲ信スル旨ヲ言現ハセル者アルトキハ其信仰ヲ確メタル上聖書ニ基キ

「バプテスマ」ヲ施セリ、「バプテスマ」ハ教役者ニ限ラス先ニ基督者トナリタル

者之ヲ施行セリ。

毎主日(日曜日)「主ノ晩餐」ヲ守リ礼拝ヲ為ス、信者ハ平等ニ神ニ属

ケル祭司トシテ選ハレ、直接ニ父神ト主イエス、キリストヲ礼拝シ奉ルノ特権

ヲ賦与セラレ、此点ニ於テ教師ノ賜物アルモノト平信徒トノ区別ナシト信ジ

各自聖霊ノ順序ニ順ヒ或ハ聖書ヲ朗読シ或ハ讃美感謝礼拝ヲ

為セリ

「主ノ晩餐」ニハ基督者ナレハ何人ニテモ与カル事ヲ得シム但シ異端ヲ唱

フル者不道徳ノ行為アル者ハ之ヲ拒絶シ、又初メテノ列席者ニハ他ノ紹介

ヲ求メ、新タニ「バプテスマ」ヲ受ケシ者ハ「主ノ晩餐」ノ意義ヲ了解

セシメテ後之ニ与カラシメ居レリ、列席者中志ヲ立テシメラレシ一人ハ進ンデ

パンヲ擘キ一同ニ分ツ事ヲ為セリ

0174

建徳会ニ於テハ聖霊ノ賜物ヲ受ケタル教師牧師伝道師ト認ムル

信者ヲ通シテ、聖書ニ基キ教ヲ受ルコト勿論ナルモ、聖霊ノ尊キノママニ

何人ニテモ教義ヲ説キ所感ヲ発表スルノ自由ヲ有セリ。

伝道会ニ於テモ教役者ニ限ラス何人ニテモ基督ノ福音ヲ證スル事ヲ

為セリ

土地ノ状況ニヨリ必要ニ応ジ日曜学校ヲ開設シテ信徒並ニ一般家庭ノ児

童ニ基督教教育ヲ施スコトヲ為セリ。

教役者及布教ノ方法

基督ヲ信シ救ハレシ者ハ之ヲ他ニ伝ヘテ同シ恩恵ニ浴セシムル事基督ノ命ニ

シテ又福ヒナル義務ナルヲ確信シ各自福音ヲ宣伝セリ。但シ特ニ天職

トシテ専ラ教役、伝道ニ従事スル者ニ対シテハ之ニ生活及伝道ノ費用ヲ

給スル事ヲセリ、サレド贈与ノ契約ヲ為サス従テ金額ノ定メモナク、受

クル者モ与フル者モ双方共信仰ニ由リテ行ヒ来レリ。

集会所ニ於テ聖書ヲ講シ福音ヲ宣伝シ、又ハ信者求道者ノ宅ニ

於テ或ハ路傍ニ於テ之ヲ為シ、又定期刊行物及随時出版物ヲ以テ文書

布教ヲ為シ来レリ。

管理及会計

本会ハ別ニ管理者ヲ定メス、全国信徒中ヨリ選出セラレタル代表者

若干名ノ合議ニヨリテ之ヲ管理セリ。

会計主任ハ代表者中ヨリ互選ヲ以テ之ヲ定メ、任期ハ一ケ年トシ重

任ヲ妨ケス

会計主任ハ全国各地集会及信徒ヨリ収納セル金銭ヲ保管

シ又之カ支出ヲナス

各地集会ニ於テハ毎主日礼拝後函ヲ回シ、他ニ知ラシメスシテ任意ノ

献金ヲ為サシム、但シ伝道用及集会所費ノ二口ヲ設ケ伝道金ハ之ヲ

全国会計主任ニ送金シ、集会所費ハ集会会計係之ヲ取扱ヒ来レリ

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