寺院創立ノ件(真宗本願寺派是信寺)Ⅱ-㊳0012~0037

0012

寺院創立ノ件

指令案

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里

     是川是信


0013

昭和三年十月三十日附願是信寺創

立ノ件許可ス

   年  月  日

     朝鮮総督


0014

理由

本件出願人ノ一人タル是川是信ハ従来

熱烈ナル仏教信者ニテ平素修養ヲ

怠ラザリシガ先年得度シテ真宗本願

寺派所属ノ僧侶トナリ遂ニ布教師タル

資格ヲ具備スルニ至レリ然ルニ居住地タ


0015

ル鶴橋里ニハ現ニ内鮮人信者二百余戸ア

ルモ本宗派ノ寺院ナキ為仏事、法要ノ

執行ニ当リ常ニ不便ヲ感ジツツアル折柄

同人ハ主ナル信者ト相議リ其ノ賛同ノ

下ニ御大典記念事業トシテ今回寺院

ヲ創立セントシ自ラ其ノ敷地及多額ノ金


0016

員ヲ醵出スルトコロアリ而シテ創立ノ事由ト

シテハ内鮮人ニ宗義ヲ徹底シ真宗ノ教義

ニ因リ信仰ヲ勧メ思想ヲ善導シテ内鮮

人共ニ安心立命ノ幸福ヲ享受シ祖先崇

拝宗教ノ儀礼ヲ行ヒ真俗二諦ノ真宗

教化ヲ宣揚セントシ京城本願寺別院ノ同意


0017

ヲ得テ出願ニ及ヒタルモノナリ仍テ之ヲ寺

院ノ創立ヲ許サルル標準ニ照シ審査スル

ニ何等不都合ノ廉ナク堂宇其ノ他ノ建

物ハ創立費金一萬円内ニ於テ支弁サレ

其ノ収入確実ト認メラル又維持費ハ檀

信徒ノ布施、醵出金其ノ他ニ依リ年額


0018

金九百円ハ確実ニシテ他ニ別段ノ支障ヲ認

メザルニ付願ノ通御許可相成可然哉

右仰高裁


0019

官報掲載案

寺院創立許可  全羅南道咸平郡

咸平面鶴橋里四百五十三番地ノ二ニ是信

寺創立ノ件   月  日 許可セリ


0020

昭和四年一月十五日

   全羅南道知事

学務局長殿

   寺院創立許可申請ノ件(対

   昭和三年十二月二十一日附副申)


首題ノ件至急御詮議相煩様致度出願人ヨリ申出ノ次第

モ有之此段進達ス


0021

寺院創立願ニ対スル調査要領

要記載及具備事項 規則及内規ノ要旨


檀信徒トシテ連署ノ人員 三十人以上

是川是信外三十七名ノ連署出願


審査上ノ意見 可


所属宗派管長ノ承認


真宗本願寺派管長大

谷光照保摂会長大谷

光明ノ承認書ヲ添付ス


審査上ノ意見 可


創立事由


内地人法義相続ノ傍ラ鮮

人ニ宗義ヲ徹底シ真宗ノ

教義ニヨリ信仰ヲ勧メ内

鮮人平等ニ安心立命ノ幸

福ヲ享受シ以テ真宗教化

ヲ宣揚セントスルニアリ


審査上ノ意見 可


寺院称号


是信寺


審査上ノ意見 支障ナシ


創立地名


全羅南道咸平郡咸平面

鶴橋里四五三番地ノ二


審査上ノ意見 支障ナシ


本尊


阿弥陀如来


0022

所属宗派ノ名称


真宗本願寺派


建物ノ坪数(本堂庫裏兼用ノトキハ四十坪以上)



本堂坪数(二十五坪以上)  三七坪半


審査上ノ意見 可


庫裏坪数(二十五坪以上)  二四坪


審査上ノ意見 可


右建物所有名義


寺院有トナルベキモノ


附属建物


境内地坪数(三百坪以上)  九七三坪


審査上ノ意見 可


所有者名義(国有及民有ノ区別)


現在ハ是川十郎ノ個人名義

ナルモ寺院創立許可ト共ニ

同人ヨリ寺院有ニ無償譲與スベキモノナリ


審査上ノ意見 支障ナシ


0023

本堂庫裏ノ図面(平面図、正面図縦断面図) 添付ス


審査上ノ意見 支障ナシ


附属建物ノ図面(平面図) 添付ス


審査上ノ意見 支障ナシ


境内地図面(平面図) 添付ス


審査上ノ意見 支障ナシ


寺院周園ノ状況(地勢、交通、家屋配置ノ状況等)


鶴橋市街ヲ離レ北部ニ位シ

周囲ハ水田ニシテ霊光鶴橋

間ノ交通道路ニ面シ民衆

ノ出入ニ便ス


審査上ノ意見 可


創立費及其ノ支弁方法


一〇、〇〇〇円

支弁方法

六、〇〇〇円、檀信徒及有志ノ寄附

四、〇〇〇円、是川是信ノ寄附


審査上ノ意見 可


維持方法(確実ナル収入五百円以上)


九〇〇円一カ年ノ経費

内訳

七〇〇円檀信徒醵金及仏

    事意納金

二〇〇円篤志家ノ喜捨金


審査上ノ意見 可


檀信徒員数(二百戸以上) 二〇三戸


審査上ノ意見 可


0024

学第六五号

  昭和三年十二月二十一日

    全羅南道知事

  学務局長殿


寺院創立許可申請ノ件

管内咸平郡鶴橋面是川是信出願ニ係ル首題ノ件至急御詮

議相成様致度別紙進達ス


0025

寺院創立願

今般寺院ヲ創立致シ度候間御許可相成度

別紙管長ノ承認書相添ヘ左記事項ヲ具シ

此段申請候也

  昭和三年拾月三十日

    創立者

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四百五拾参番地 是川是信 印

全羅南道咸平郡咸平面咸平里百五拾六番地  山田萬吉郎慶応三年二月四日生 印

全羅南道咸平郡咸平面咸平里百五拾参番地  小泉源七 印

全羅南道咸平郡咸平面箕閣里六拾四番地   中尾音次郎 印

全羅南道咸平郡咸平面咸平里百弐拾参番地  海見小三郎 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百拾番地   丁奎桓 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四九五番地   張澤奎 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百〇四番地  張福一 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百弐拾弐番地 盧其蓮 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百弐拾四番地  朴炳良 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百〇八番地   朱年植 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百拾四番地   金箕満 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八拾七番地    具三用 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八百九拾九番地  張漢巨 印

全羅南道咸平郡鶴橋面四街里六三五番地    中野弥七郎 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八七八ノ五    松永弥太郎 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八七八ノ七    小林吉藏 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八七七      永木久吉 印


0026

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八七八ノ九    福田久禄 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八七八ノ十    藤原敏夫 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四五六      長尾タマヨ 印

全羅南道咸平郡鶴橋面錦松里五〇九ノ四    中島直吉 印

全羅南道咸平郡鶴橋面錦松里五〇九ノ一    樋口安右衛門 印

全羅南道咸平郡鶴橋面四街里六五三番地    後藤信治 印

全羅南道咸平郡鶴橋面四街里六五四      松尾唯市 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里二九五      籔崎勘藏 印

全羅南道咸平郡鶴橋面月山里七百五拾壱番地  韓圭興 印

全羅南道咸平郡鶴橋面月山里七百五拾参番地  羅大云 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里八百七拾八番地  李澤憲 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百弐拾弐番地  田聖魯 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百七拾九番町  金士淑 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百七拾九番町  張祥奎 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里五百弐拾六番地  李光鮮 印

全羅南道咸平郡鶴橋面錦松里五百弐拾弐番地  金箕川 印

全羅南道咸平郡鶴橋面金谷里百拾七番地    徐鐘瀚 印

全羅南道咸平郡鶴橋面古幕里参弐五番地    全奇南 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四七四番地    金哲起 印

全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四百六拾六番地  李守福 印

朝鮮総督山梨半造殿


一 創立ノ事由

  内地人法義相続ノ傍ラ鮮人ニ宗義ヲ徹底シ


0027

  鮮人ヲシテ真宗ノ教義ニヨリ徹底的ニ信仰ヲ勧メ

  思想ヲ善導シ内鮮人自他平等ニ安心立命ノ幸

  福ヲ享受シ祖先崇拝宗教儀礼ヲ行ヒ真俗

  二諦ノ所謂王法為本仁義以元ノ真宗教化ヲ

  宣揚セン為メニ寺院創立ノ必要アリ

二 寺院ノ称号  是信寺

三 創立地名

  全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四百五拾参番地ノ弐

四 本尊並ニ所属宗派ノ名称

  阿弥陀如来  真宗本願寺派

五 建物及ビ境内地ノ坪数

  本堂建坪三十七坪半庫裏建坪弐拾四坪

  敷地九百七拾三坪

六 境内地周囲ノ情況

  鶴橋市街地ヲ離レテ北部ニ位シ周囲水田ニシテ

  霊光鶴橋間ノ交通道路ニ直面シ民衆ノ

  出入ニ最便ヲ得

七 創立費及ビ其支弁方法

  一金壱萬円也  総創立費

    内訳

  一金七千五百円也 本堂参拾七坪半ノ建築費

  一金弐千参百円也 庫裏弐拾四坪ノ建築費

  一金弐百円也   周囲ノ柵埒其他出入門

以上


0028

  一金壱萬円也 総収入高

   内訳

  一金六千円也 檀信徒及ビ有志者ノ寄附金

  一金四千円也 是川是信 志納金

以上

八 維持ノ方法

  檀信徒ノ喜捨金及ビ当寺ノ所有トナルベキ土地ノ

  貸付料其他布教ニヨリ得タル収入ヲ以テ之レニ充ツ

  一金九百円也 歳入高

  内訳

  一金五百円也 檀信徒仏事志納金

  一金弐百円也 檀徒不均一年醵金

  一金弐百円也 賽銭及ビ臨時篤志者ノ喜捨金

  備考檀徒不均一年醵金金弐百円ハ檀徒戸数弐百戸

  平均一戸一ヶ年壱円ノ割合ナリ

以上

  一金九百円也 歳出高

   内訳

  一金六百円也 住職年報酬

  一金壱百円也 燈火料

  一金壱百円也 雑支出

  一金五拾円也 雇人夫賃及ビ修繕費

  一金五拾円也 予備費

以上


0029

九 檀信徒ノ数

  檀徒弐百〇三戸  六百九人

  信徒       弐百八十人

  合計八百八十九人

十 境内地ノ所有者ハ現在全羅南道咸平郡鶴橋面

  鶴橋里八百七拾八番地ノ弐是川十郎ナルモ是信寺

  創立御承認ノ上ハ寺院有ノ土地トシ無償讓

  與ヲ受クル契約ナルニヨリ所有者ニ於テ何等異儀

  ナキモノナルヲ以テ土地代金ヲ要セザル事ハ勿論ナレバ

  別紙所有者ノ承諾書ヲ添付ス

以上


0030

別紙朝鮮全羅南道咸平郡鶴橋面鶴橋里四五三ノ弐ニ寺院創立

是信寺ト公称ノ儀承諾致候也

  昭和三年十月二十六日

    真宗本願寺派管長伯爵大谷光照

保摂会長大谷光明

朝鮮総督山梨半造殿


0031

承諾書

咸平郡鶴橋面鶴橋里四百五拾参番地ノ弐

一水田九百七拾参坪

以上

右之土地拙者所有ニ之有リ候処是信寺

創立御許可相成リ次第同寺有敷地トシテ

無償譲與可致契約致シ居リ候間此ノ承

諾書差上候也

  咸平郡鶴橋面鶴橋里八百七拾八番地ノ弐

  昭和参年拾壱月  日 地主 是川十郎

    同郡同面同里同番地

    右親権者父是川郁爾 印


0032-0033

謄本(翻刻省略)


0034-0036

図面


0037

昭和四年二月十五日

   全羅南道知事 印

学務局長殿

  寺院創立ニ関スル件

首題ノ件ニ関シ昭和四年一月二十二日附宗第八号ヲ以

テ是信寺創立ノ件許可相成タルトコロ右指令書中咸平

面トアルヲ鶴橋面ニ訂正相煩度別紙指令添付副申ス