寺院創立許可願ニ関スル件(日蓮宗日妙寺)Ⅱ-㊳0122~0145

0122

寺院創立許可願ニ関スル件

指令案

咸鏡南道咸興郡咸興面郷校里六十六番地

杉本文秀


0123

外三十四名

昭和四年五月十五日附願日妙寺創立ノ

件許可ス

年  月  日

朝鮮総督


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理由

本件ハ咸鏡南道咸興郡咸興面所在日蓮

宗ノ布教所ヲ基礎トシテ日妙寺ナル寺院

ヲ創立セムトスルモノニシテ右布教所ハ大正

六年十月設立シ爾来都市ノ発展ニ伴ヒ

檀信徒ノ数モ遂年増加スルト共ニ諸般ノ


0125

設備モ改善セラレ今ヤ寺院トシテノ面目

ヲ保持スルニ十分ナルヲ以テ之ヲ寺院ニ引

直シ其ノ基礎ヲ確立スル必要ヲ認メタル

モノナリ仍テ之ヲ寺院ノ創立ヲ許サルル

標準ニ照シ審査スルニ別紙調査要領

ノ通何等不都合ノ廉ナク且ツ本堂庫裏


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其ノ他附属建物ハ去ル大正七年以来数度

ニ渉リ現在ノ如ク建築ヲ完了シタルモノニ

テ寺院創立許可ノ上ハ境内地ト共ニ現在

ノ儘日蓮宗護法会財団ヨリ無償譲與

ヲ受クルヲ以テ別ニ創立費ヲ要セス維持費

ハ檀信徒ノ布施其ノ他ニ依リ年額収入金千


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五百円ハ確実ト認メ別紙道知事ノ副

申モアリ他ニ別段ノ支障ナキヲ以テ前記

指令案ノ通許可相成可然哉仰高裁


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官報掲載案

寺院創立許可  咸鏡南道咸興郡咸興

面郷校里ニ日蓮宗日妙寺創立ノ件  月

日許可セリ


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寺院創立願ニ対スル調査要領

檀信徒トシテ連署ノ人員(三十人以上)

三十五人

審査上ノ意見  可

所属宗派管長ノ承認

アリ

審査上ノ意見  可

創立事由

当地ハ四萬余ノ人口ヲ抱有スル都会ナリ

而シテ当所ハ明治三十九年布教所トシテ

設立許可ヲ得テ現今ニ至ル迠布教シツツ

アリシガ信者モ増加シ基礎モ確立シテ

将来寺院改創ノ目的ヲ以テ現在ノ敷地ヲ

購入シテ大正七年四月本堂及庫裏ヲ建

築シ又同十二年十月ニハ更ニ庫裏ヲ

増築シテ檀信徒増加ト世運ノ趣

向トニ従ヒ寺院創立許可ヲ願フ

所以ナリ

審査上ノ意見  適

寺院称号

日妙寺

審査上ノ意見  適

創立地名

咸鏡南道咸興郡

咸興面郷校里六六 六五ノ二 六四ノ三

審査上ノ意見  適

本尊

十界勧請ノ曼荼羅並ニ

釈尊

審査上ノ意見  適


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所属宗派ノ名称

日蓮宗

建物ノ坪数(本堂庫裏兼用ノトキハ四十坪以上)

本堂坪数(二十五坪以上)  五十四坪一合

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

庫裏坪数(二十五坪以上)  二十七坪二合五勺

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

右建物所有名義

日蓮宗

護法会財団

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

附属建物    九坪二合五勺

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

境内地坪数(三百坪以上)  三百九十二坪二合

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

所有者名義(国有及民有ノ区別)

日蓮宗

護法会財団

審査上ノ意見  適  創立許可ト同

時ニ寺院有之物ナリ

図面  アリ


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本堂庫裏ノ図面(平面図、正面図、縦断面図) アリ

附属建物ノ図面(平面図) アリ

境内地図面(平面図) アリ

寺地周囲ノ状況(地勢、交通、家屋配置ノ状況等)

市街ヨリ東北ニ当リ咸興駅ヨリ

西北約二十丁ニ位シ東ハ孔子廟道路ヲ

隔テ一般住宅地ニ接シ西ハ咸興神社

ヲ経テ道庁ニ連リ南ハ公立普通学

校及商業学校ニ連リ北ハ孔子廟ニ

接シ社寺地トシテ適当ノモノナリ

審査上ノ意見  適

創立費及其ノ支弁方法

大正十二年十月寺院トシテ竣工

シタルニ付創立費ヲ要セズ

審査上ノ意見  可

維持方法(確実ナル収入五百円以上)

一金一千五百四円也

内訳

金千二百円也  信徒ノ喜捨

金四円也    基本金ヨリ収入

金三百円也   其他雑収入

審査上ノ意見  可

檀信徒員数(二百戸以上)  二百十戸

審査上ノ意見  可


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咸南学第  号

昭和四年七月十六日

咸鏡南道知事 印

朝鮮総督殿

寺刹創立願ノ件

管下咸興郡咸興面杉本文秀外三十四

名ヨリ別紙ノ通寺院創立願アリ調査

セシ処右ハ従来ノ日蓮宗咸興布教所

ヲ寺院ニ引直サントスルモノニシテ適当ト認

メラルルニ付御許可相成度左記事項ヲ


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具シ副申ス

一、出願者ハ何レモ咸興面内ニ於テ相当ノ地

位、徳望及資産ヲ有スル者ニシテ将来

寺院ノ柱石タルニ足ルト認メラル

二、本寺ハ従来ノ布教所用敷地及本堂

庫裏等ヲ日蓮宗護法会財団ヨリ譲

受使用ニ付別段創立費トシテ支弁ノ必

要ナシ

三、維持方法ハ檀信徒ノ信施基本金収入

及其ノ他ノ収入ヲ以テ計上シ確実ト認メラル


0134

日蓮宗

副申

朝鮮咸鏡南道咸興郡咸興面郷校里六十六番地

日妙寺

右寺院創立ノ件別紙関係者連署出願ノ趣相違無之候條御許可相成度

此段副申候也

昭和四年六月五日

日蓮宗管長 酒井日慎 印

朝鮮総督山梨半造殿


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寺院創立願

今般寺院創立致度候間御許可相成度別紙

管長承認書相添ヘ左記事項ヲ具シ此段

申請候也

昭和四年五月十五日

創立者

朝鮮咸鏡南道咸興郡咸興面郷校里六拾六番地

杉本文秀 印

明治弐拾壱年五月八日生

同    豊西里七拾六番地

内田半十 印

明治拾四年拾弐月八日生

同    西陽里七番地

中村正一 印

明治七年弐月弐拾参日生

同    東陽里百弐拾五番地

村上武雄 印

明治弐拾年七月弐拾参日生

同    東陽里百弐拾五番地

小野磯平 印

明治九年四月拾九日生

同    東坪里参番地

宍倉六二 印

明治弐拾四年六月七日生


0136

同    東陽里百五拾九番地ノ二

山田勘七 印

明治拾四年四月壱日生

同    東陽里弐拾四番地

望月美之作 印

明治拾四年参月四日生

同    西陽里拾弐番地

渋谷廣藏 印

明治弐拾年五月参日生

同    鐘閣里五拾壱番地

右田孝太郎 印

明治拾六年八月弐拾日生

同    鐘閣里六拾番地ノ一

原田勉 印

明治参拾壱年四月拾弐日生

同    東陽里弐百拾弐番地

椙原慶三郎 印

慶応参年壱月参日生

同    東陽里参番地

佐藤時平 印

明治拾九年七月拾五日生

同    豊西里拾九番地

岡本嘉吉 印

明治拾五年五月拾五日生


0137

同    東陽里壱番地ノ拾

井垣善次 印

明治拾四年四月拾弐日生

同    鐘閣里五拾五番地

松村榮三郎 印

明治九年八月拾弐日生

同    豊陽里四拾六番地

和田伴吉 印

明治弐拾年九月拾壱日生

同    東陽里百七番地

敷根角市 印

明治拾八年九月四日生

同    東陽里弐百六番地

坂本伴吉 印

安政六年八月弐拾五日生

同    東陽里弐拾六番地

荒木頼景 印

明治拾六年拾月拾八日生

同    東陽里弐拾弐番地

松田作次郎 印

明治弐拾年六月拾八日生

同    鐘閣里五拾五番地

田中松吉 印

明治拾五年六月壱日生


0138

同    新興里東方魚菜市場

岡村又一 印

明治拾壱年六月弐拾弐日生

同    東陽里八拾四番地

岩井田冨士松 印

明治拾五年壱月拾七日生

同    郷校里拾参番地

吉田千代秋 印

明治弐拾六年参月九日生

同    西陽里四拾八番地ノ二

雨森良三 印

明治拾弐年拾弐月弐拾日生

同    新昌里四拾壱番地ノ一

秀平盛義 印

明治参拾八年拾弐月弐拾七日生

同    東陽里百弐拾番地

植木吉夫 印

明治四拾年八月弐拾七日生

同    鐘閣里五拾壱番地

梅原安太郎 印

明治四年弐月拾七日生

同    東坪里拾九番地

鎌田要藏 印

明治拾八年四月七日生


0139

同    鉄道官舎九号ノ壱

原 榮 印

明治弐拾七年五月拾七日生

同    鉄道官舎拾弐号ノ四

赤堀登喜松 印

明治弐拾壱年参月拾壱日生

同    鉄道倶楽部

梅田松榮 印

明治拾五年壱月五日生

同    東陽里弐百拾九番地

永井金三郎 印

明治八年拾月七日生

同    西陽里弐番地

玉置榮次郎 印

明治五年九月壱日生

朝鮮総督山梨半造殿


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一、創立ノ事由

当地ハ住吉観察使ノ駐在セシ所ニシテ現今本

道々庁ヲ始メ郡庁地方法院軍隊其他官公私

設ノ会社諸学校ヲ主トシ人口四萬餘行政ノ

中心地ニテ萬般ノ施設着々改善セラレ今ヤ本道

唯一ノ都市タラントスルノミナラス全鮮中ニ於テモ

屈指ノ都市タラントス然ルニ本所ハ其創立古ク

明治三十八年十一月日露戦役当時第十三師

団ノ樺太ヨリ移住セラレシ時元山頂妙寺住

職中山日運錫ヲ此地ニ洩(拽カ※)キ布教ニ従事

セシヲ始トシ爾来各布教師交代スト雖モ春

秋二期軍隊ノ戦病死者ノ英霊ノ吊ハ勿論

各霊ノ命日ハ当布教所ノ担任セシ処ニシテ

当時他ノ寺院布教所等ナキヲ以テ明治三十

九年遂ニ布教所ノ設立認可ヲ受ケ爾来各

布教師之ニ当リ布教所ノ移転等モ縷々

ナリシガ大正六年九月当所ニ移転布教ノ基

礎モ確立シ檀信徒モ日日増加シタルニ依リ

将来寺号公称ノ目的ヲ以テ現今ノ敷地ヲ

購入シ大正七年四月本堂兼庫裡ヲ建築、

大正十二年十月更ニ庫裡ノ増築ヲナシ寺院

トシテ面目ヲ一新シ将来我宗ノ一寺トシテ

完全ニ維持シ得ル萬般ノ設備全クナリ檀


※(拽カ):竹永三男氏よりご教示頂きました。感謝申し上げます。


0141

信徒ノ増加ト世運ノ趣向トニ従ヒ寺号公称

ノ必要ニセマラレ茲ニ許可ヲ得ントスルモノナリ

二、寺院ノ称号

日妙寺

三、創立ノ地名

朝鮮咸鏡南道咸興郡咸興面郷校里六十六番地六拾六番地 六拾五番地ノ二 六拾四番地ノ三 ノ内

四、本尊並ニ所属宗派ノ名称

イ 本尊 十界勧請ノ曼荼羅並ニ釈尊

宗祖日蓮聖人木像

堂内ニ鬼子母神、清正公各木像ヲ合祀ス

ロ 所属宗派 日蓮宗

五、建築物境内地ノ坪数

イ 建築物ノ坪数

建物ノ種類

本堂

坪数    五拾四坪壱合

所有者   日蓮宗護法会財団

備考    寺号公称ノ上ハ無償譲渡ヲ受クルモノトス

向拝    参坪 以下同

庫裡    弐拾七坪弐合五勺  以下同

渡廊下物置 弐坪五合、参坪七合五勺  以下同

便所    弐坪五合  以下同

計九拾参坪壱合

ロ 敷地境内ノ坪数

所在地名及番地

郷校里六拾六番地

坪数      参百弐拾六坪

所有者     日蓮宗護法会財団

備考      寺号公称ノ上ハ無償譲渡ヲ受クルモノトス

六拾五番地ノ二 四拾五坪  以下同


0142

六拾四番地ノ三 弐拾壱坪  以下同

計参百九拾弐坪弐合

六、境内周囲ノ状況

境内ハ咸興市街ノ中央ヨリ東北ニ当リ道庁々

舎ヨリ東ニ、咸興駅ヨリ西北二十丁弱ニ位置シ東

ハ孔子廟道路ヲ隔テ一般住宅地ニ接シ西ハ咸

興神社ヲ経テ道庁ニ連リ南ハ咸興第一公立

普通学校及ヒ商業学校ニ連リ北ハ孔子廟

盤龍台ニ接シ孔子廟道路ヨリ約八九尺ノ高

台ノ地ニシテ社寺地トシテハ適当ノモノナリ

七、創立費及其ノ支弁方法

敷地及本堂、庫裡ハ現在ノママ日蓮宗護法

会財団ノ所有タルモノヲ譲リ受クルモノトス

此見積価額

本堂壱千九百円也(建物ハ陸軍省拂下

ヲ受ケタルモノ)

庫裡弐千円也(新築シタルモノ当時ノ価額)

八、維持方法

布教所トシテハ動産不動産ナキモ一般檀信

徒ノ信施ニ依ル其金額左ノ如シ

収入ノ種類   年額     月額

信徒ノ信施   壱千弐百円  壱百円

基本金収入   四円

備考      基本金造成企図中ノ積立金八拾円ノ年利五銭

其ノ他ノ収入  年額 参百円 月額 二十五円

備考      加持祈祷及堂宇ノ歳入


0143

計壱千五百四円也

九、檀信徒ノ数

弐百拾五戸餘リ


0144~0145

図面