0045

本門法華宗布教管理者変更就任

認可願ノ件

指令案

東京市本郷区駒込浅嘉町

0046

本門法華宗々務庁

本門法華宗管長　信隆日秀

大正拾弐年七月廿五日附願本門法華宗

朝鮮布教管理者ヲ安田現素ニ変更

ノ件許可ス

年　月　日

朝鮮総督

0047

起案ノ理由

本件本門法華宗朝鮮布教管理者

変更認可願ハ前任者明田現学止

ムヲ得サル事情ニ依リ退任ニ付後任

安田現素ノ就任ヲ同派管長ヨリ認可

願出テタルモノニテ別段ノ支障無之

認可御指令可然キモノト思料右起

案仰高裁候

0048

宗第壱参弐号

布教管理者交代認可申請

京城府本町五丁目四拾六番地

本門法華宗鶴松寺佛立講堂担任

権僧都安田現素

本宗朝鮮布教管理者従来明田現学在任セシメ置候處今

回不得已事情ニ依リ其後任管理者トシテ前記安田現素ヲ以

テ交代為致度候間御認可相成度別紙履歴書相添此段申

請候也

大正十二年七月廿五日　本門法華宗管長大僧正信隆日秀　

印

朝鮮総督伯爵斎藤実殿

0049

宗第一参七号

御官下本宗布教管理者交代ノ義ニ付■テ

及仕協議候處宗第八壱号ヲ以テ正式手続第■

回答ニ基キ別紙願書提出致候間可然御取計

相成度此段仕請願ヒ候也

大正十二年七月二十五日

本門法華宗管長大僧都信隆日秀　印

朝鮮総督府学務局長長野幹殿

0050

履歴書

朝鮮京城府本町五丁目四拾六番地

権僧都　安田現素

明治拾壱年参月拾日生

一原籍　京都市上京区御前通仁和寺街道上ル

　　下堅町百五拾八番地

一得度　明治弐拾弐年参月拾日京都府乙訓郡

　　大原野村字大原野西迎寺住職長澤

　　亮然ニ就キ得度ス

一加行傳法　明治弐拾五年四月総本山一第生光明寺ニ

　　於テス

一帰化　明治弐拾九年師僧死亡同参拾年

　　参月本門法華宗ニ帰化シテ京都市御

　　前通仁和寺街道上ル宥清寺住職御牧

　　日聞師ノ学徒トナリ同参拾四年四月拾弐日

　　同師ニ就テ傳法得度ス

一檀功　明治拾六年四月ヨリ同弐拾五年参月迄ニ初

　　等及高等小学ヲ卒ヘ同弐拾九年参月浄土

　　宗西山派宗学本校卒業此間ニ西山

　　玉順河野松情師ニ就キ漢学及詩

0051

　　文学ヲ修ス

　　明治参拾年参月ヨリ御牧日聞師ニ就キ本宗

　　ノ教義ヲ学ブ

　　同参拾五年七月参日帰化教務ヲ■■シ本

　　宗東校ヨリ玄義壱試修学ノ証ヲ受ク

　　同丗七年参月東校卒業

　　同四拾弐年参月修練師ニ補任

　　大正参年九月玄議師ニ補任

　　大正拾年参月六等教師之級ニ補任

一教職　明治弐拾五年五月拾七日準擬議拝命

　　同弐拾八年六月九日擬議拝命

　　同参拾五年七月拾日権訓義拝命

　　同参拾六年九月一日訓義拝命

　　同参拾七年拾月五日権少講師拝命

　　同四拾壱年五月廿五日権中講師拝命

　　同四拾参年参月拾弐日中講師拝命

　　大正壱年拾壱月弐拾日権大講師拝命

　　同参年九月拾■日大講師拝命

　　同拾年六月弐拾日権僧都拝命

一任免事項　明治弐拾七年九月京都府乙訓郡大原野

0052

　　村字坂本来迎寺住職拝命

　　明治参拾八年五月ヨリ同四拾四年拾月迄大本

　　山妙蓮寺貫主御牧日聞師ノ特命ヲ受ケ

　　京都、大坂、名古屋、大原、金澤、伊賀

　　地方等ヘ布教伝道ニ従事ス

　　明治四拾五年弐月管長大僧正寺島日諒師

　　ヨリ朝鮮布教申付ラレ釜山府本町一丁目四拾

　　五番地ニ布教所ヲ設立シ担任拝命現今ハ

　　寺院トナル

　　大正弐年壱月大本山妙蓮寺貫主大僧正

　　野原日随師ヨリ九州別府ヘ臨時布教

　　申付ラレ同地別府町字南上町ニ布教所

　　ヲ新築シ担任拝命

　　大正六年七月京城府竹添町弐丁目六拾七

　　番地ニ布教所ヲ設ケ担任拝命同拾年

　　拾弐月京城府本町五丁目四拾六番地ニ布教所

　　新築シ引移ル

　　大正九年参月ヨリ京城布教ノ傍ラ平壌

　　地方、布教伝道シ同地港町百弐拾七番

　　地ニ布教所設置シ担任拝命

0053

一賞罰　大正五年六月弐拾六日附布教ノ功績顕

　　著ナリトシ本宗管長ヨリ宗規第拾参

　　号第壱條第参項ニ拠リ上級法衣着用

　　認許賞ヲ受ク

　　罰無シ

右之通リ相違無之候也

大正拾弐年七月廿八日

右権僧都　安田現素　印

0054

本門法華宗朝鮮布教管理者変更

内議ノ件

回答案

学務局長

0055

東京市浅草区玉姫町本性寺内

本門法華宗管長　信隆日秀宛

四月十壱日附案第一三〇号ヲ以テ御内議

相成候貴宗派朝鮮布教管理者変更

ノ件正式手続相成可然此段及回答候也

起案ノ理由

本件ハ前任者止ムヲ得ザル事情ニヨリ解任後任者

推薦ニ付大正三年十月廿六日各宗管長宛

政務総監通牒ニ依リ内議シ来リタルモノニテ別

段ノ支障ナシト思料候ニ付右起案及伺候也

0056

宗第壱参〇号

御管下本宗布教管理者明田現学儀今回不得已

事情ニ付解任其後任管理者トシテ権僧都安田現素

ヲ以テ仕右ノ義出願致候同人ハ去大正五年以来京城

府布教所担任教師ノ職ニ在リ鮮内民情風俗ニモ精通

致候モノニシテ布教上敢テ遺憾モ無之候間特ニ御詮議

ノ上予メ御承認相成度此段禀請仕候也

大正十二年四月十一日

本門法華宗管長大僧正信隆日秀　印

朝鮮総督府御中

管理者住所京城竹添町二ノ六七安田現素