0026

【上段】

宗規別途

保存　印

発送先

京都市九條町

【上段終】

件名　真言宗東寺派布教願ニ関スル件

指令案

真言宗東寺派管長

松永昇道

0027

昭和七年十月一日附願真言宗東寺

派布教ノ件認可ス

年　月　日

朝鮮総督

理由

本件布教管理者タルベキ澤光範ハ別紙大正四

年十二月二十四日附警高機収第二五、六七四号ノ三

0028

警務総長調書写ノ通従来兎角ノ風評アリ且ツ

昭和六年古義真言宗布教管理者其ノ他ヲ辞

シ真言宗東寺派ニ転派シタルモノニ付右辞免ノ

事情取調タル處別紙古義真言宗々務所回

答ノ通一般布教者並ニ檀信徒ノ気受面白カラザリ

シ為依願免職トナリタルモノニシテ爾来同派宗務当

局ニ対シ多少反抗シタル形跡有之モ現在ニ於テハ古

義真言宗ノ承諾ヲ得テ正当ニ真言宗東寺派ノ

僧侶トナリ居ルノミナラズ願書モ所定ノ要件ヲ具備

シ且ツ将来断ジテ古義真言宗ノ教線ヲ攪乱スル

ガ如キコト無之謹厳正直ニ執務セシムベキ旨申出

ノ次第モ有之ニ付特ニ左案ノ通牒ヲ附スルコトトシ

0029

【上段】

×

累ヲ宗教

界ニ及ホスコ

トトナリ

【上段終】

認可相成可然モノト思料ス

通牒案

（対昭和七年十月一日附願）

朝鮮総督府学務局長

真言宗東寺派管長宛

首題ノ件別紙指令書ノ通認可相成候處御申

越ノ通澤光範ハ表面円満ニ古義真言宗ヲ引

退シタル形式ト相成居候ヘ共裏面ニ於テ相当ノ

事情アリシハ事実ナルヤニ推セラレ其ノ可否ハ兎モ角

将来朝鮮ノ如キ開教地ニ於テ両者間萬一面白カラ

ザル事態ヲ惹起シ延テスルガ如キコトアリテハ自然布教規

則第四條ノ定ムル所ニ依リ布教管理者ノ変更ヲ命

0030

ゼラルルニ立到ルガ如キコトアリベク斯クテハ甚ダ遺憾ニ

付萬々

如斯コトナキ様厳ニ監督相成度特ニ此段及通牒

候也

参照

布教規則

第四條　朝鮮総督ハ布教ノ方法、布教管理者

ノ権限及布教者監督ノ方法又ハ布教管理者

ヲ不適当ト認ムルトキハ其ノ変更ヲ命スルコトアル

ヘシ

官報掲載案

0031

布教認可　真言宗東寺派布教ノ件昭和八年

月　日　認可セリ

通知案

添附物有　　　学務局長

各道知事宛

首題真言宗東寺派ニ於テ左記ニ依リ布教ノ件

昭和八年六月二十日認可相成タルニ付通知ス

以上

0032

（添付物控）

記

一、宗教及其ノ宗派ノ名称

仏教　　真言宗東寺派

二、宗制

別冊添付（別冊省略）

三、布教ノ方法

布教所ニ於ケル布教、家庭伝道、通信布教、慰問布教、巡

回

布教、応請布教

四、布教管理者ノ権限

布教管理事務所ヲ置キ全鮮ニ布教所ヲ置キ布教師ヲシテ布

教

ニ従事セシメ布教事務ヲ処理ス

五、布教者監督ノ方法

布教者ノ統一ヲ計リ各教区地ヲ定メ布教管理事務所之ヲ監

督

ス

六、布教管理事務所ノ位置

朝鮮京城府漢江通拾壱番地

七、布教管理者ノ氏名

澤光範

履歴書添付（履歴書省略）

0033

布教及布教管理者設置願

今般当派朝鮮ニ於テ布教致度候ニ付テハ

左記ノ通リ布教管理者ヲ定メ此段奉

願候也

昭和七年十月一日

真言宗東寺派管長

大僧正　　松永昇道　印

朝鮮総督宇垣一成殿

記

一　宗派及其教派ノ名称

仏教　　真言宗東寺派

二　教規及宗制宗規

別冊　添付

三　布教ノ方法

布教所ニ於ケル布教　　家庭伝道

通信布教　　　慰問布教

巡回布教　　　応請布教

四　布教管理者権限

0034

布教管理事務所ヲ置キ全鮮ニ布教所

ヲ置キ布教師ヲシテ布教ニ従事セシメ布

教事務ヲ処理ス

四、布教管理者ノ権限

布教管理事務所ヲ置キ全鮮ニ布教所ヲ置キ布教師ヲシテ布

教

ニ従事セシメ布教事務ヲ処理ス

五、布教監督ノ方法

布教者ノ統一ヲ計リ各教区地ヲ定メ布

教管理事務所之ヲ監督ス

六、布教管理事務所ノ位置

朝鮮京城府漢江通拾壱番地

七、布教管理者ノ住所及氏名

朝鮮京城府漢江通拾壱番地

澤光範　履歴添付

0035

履歴

原籍　　石川県鹿嶋郡鳥屋村字良川

現住所　朝鮮京城府漢江通拾壱番地

澤光範

明治八年十月六日生

一　学業　明治三十三年三月真言宗各派聯合

高野山大学林卒業

二　教派又ハ官衛ニ於ケル任免事項

大正四年ヨリ昭和壱年ニ至ル年間、真言宗

各派聯合朝鮮布教管理者執務

昭和壱年ヨリ昭和六年ニ至ル年間古義

真言宗朝鮮布教管理者執務

大正四年京城府龍光寺創立ト同時ニ

住職トナル

大正十四年高野山京城別院創立主任

トナル昭和六年辞職ス

大正四年ヨリ同十年ニ至ル期間真言宗

醍醐派朝鮮布教管理者ヲ兼務ス

昭和七年三月真言宗東寺派朝鮮布

教管理者ノ命ヲ受ク

0036

昭和七年七月龍光寺住職ヲ辞ス

昭和七年九月古義真言宗ヨリ真言宗

東寺派ヘ僧籍ヲ転移ス

昭和七年九月真言宗東寺派和歌山県

那賀郡田中村極楽寺住職ニ任セラル

三　賞罰

昭和六年古義真言宗管長ヨリ開教上ノ

効績顕著ノ故ヲ以テ符遇状ヲ以テ権中僧

正ノ僧階ヲ與ヘ外ニ賞品ヲ下附セル

罰則ニ触レタルコトナシ

以上

右ノ通リ相違無之候也

昭和七年十月四日

右本人

澤光範　印

0037

【上段】

宗制第八十六

條ニ依ルナラン

【上段終】

朝鮮京城府漢江通龍光寺前住職

権中僧正　澤光範

特任和歌山県那賀郡田中村大字高野極

楽寺住職

昭和七年九月二十七日　真言宗東寺派管長印

真言宗東寺派管長

大僧正　　松永昇道

0038

【上段】

発送先

京都市九

條町

真言宗東

寺派宗務

所

【上段終】

件名　布教願ニ関スル件　　添付物有

学務局長

真言宗東寺派管長

松永昇道宛

0039

昭和七年三月二十五日附ヲ以テ首題ノ件

別紙ノ通願出相成候處布教管理者

タルベキ澤光範ハ現ニ古義真言宗布教

管理者ノ下ニ所属寺院ノ住職トシテ勤務

中ノモノニ有之候ニ付同派管長ノ承諾書

ヲ添附提出セラレタク一件書類一応返戻ス

0040

昭和七年三月廿五日

真言宗東寺派管長　印

朝鮮総督府御中

一　別紙ノ通リ当派朝鮮布教及布教管理者

設置願提出仕候条何卒御取計被下度候也

追テ同封之宗派宗制宗規ハ十年前印刷

之モノニ有之其後改正■■■■【保項中ニ？】有之

候条近日之内新タニ印刷ノ都合ニ付■

成ノ上ハ早速御■■申上候處念為メ申上候

以上

0041

【封筒表】

朝鮮　京城

総督府　御中

書留印

0042

【封筒裏】

京都市九條町

真言宗東寺派宗務所

電話（下）三一二五番

振替口座大阪七六参〇参番

昭和七年三月廿五日

0043

龍光寺住職

少僧正　澤　光範

右者同寺ヲ再建シ且ツ多年布教管理者トシテ朝鮮

開教ニ盡瘁セル功績顕著ナルニ依リ特遇状ヲ授與シ

教師一級ヲ昇補ス

昭和六年六月十三日

古義真言宗管長

大僧正　龍池密雄

0044

少僧正　　澤　光範

補権中僧正

昭和六年六月十三日

古義真言宗管長

大僧正　龍池密雄

0045

【上段】

一応

供覧

昭和八年

五月一日

学務局長　印

社会課長　印

事務官　印

主任　印

【上段終】

昭和八年四月廿七日

真言宗東寺派宗務所　印

朝鮮総督府学務局長林　茂樹殿

十七日附本派管長宛御照会ノ昭和七年十月一日附出

願ノ本派布教管理者澤光範ニ関スル件ハ左記ノ事

■ニ有之候條至急御許可被成下度此段御回

答申上候也

記

一、本派ノ信徒太邱釜山等朝鮮各地ニ散在シ

漸次増加ノ趨勢ニアリ布教管理者ヲ定ムルコ

トハ焦眉ノ急ヲ要スル実情ニ有之候左本派

信徒者本山東寺ノ弘法大師信仰者ニ御座候

一、澤光範古義真言宗布教管理者当時ノ事情

ハ本派関知ノ限リニ無之候ヘ共同人同宗ノ離籍ハ

穏当ナル依願免ノ常道ニヨルモノナリト聞及候

一、澤光範ハ現在本派ノ僧侶ニ有之候同人ハ古義

真言宗所属京城府龍光寺住職ヲ円満辞職

シ昭和七年九月廿七日本派末和歌山県那賀

郡田中村大字高野極楽寺住職セシモ

0046

ノニ有之候

一、布教ハ真言宗各派単独ノ事業ニ有之

澤光範ヲ布教管理者タラシムルコトハ毫モ

真言宗各派協約ニ抵触スルモノニハ無之候

以上

0047

【封筒表】

朝鮮総督府

学務局長

林　茂樹殿

0048

【封筒裏】

京都市九條

真言宗東寺派宗務所

電話（下）三一二五番

振替口座大阪七六三〇三番

昭和八年四月二七日

0049

【付箋】

真言宗東寺派申出

0050

陳情書

大正十四年九月二十四日真言宗各派分離以来独立教線拡

張民衆教化ニ努力罷在候近来朝鮮方面ニモ多数

ノ信徒ヲ有シ教会設立ヲ願出ル者アルヲ以テ総督府令ニ基

キ

先般東寺派在籍ノ僧侶ニシテ朝鮮ヘ弐十年来在住シ前ニ

長ク高野山大師教会開教監督者ニシテ在職セシ故ヲ

以テ朝鮮ノ事情ニモ精通シ教務上ニモ経験アリ年齢

ニ於テモ危険時代ト過ギ居ル澤光範コソ最適任者ニ認

メ出願セシ次第ニ御座候

東寺派トシテハ東寺派直属信徒ノ教化機関ヲ監

督セシムルニアリテ何等古義真言宗ノ教線攪乱スル

ガ如キ事ハ断ジテ無之モノト信ジ居候

澤光範ニ対シテハ謹厳正直ニ執務セシムベク諭示度

置候　信徒教化ノ統制上誠ニ困入ル次第ニ付速ニ願

意御許可相成度此段及陳情候也

昭和八年四月十一日

東寺派宗務所　印

学務局長

林茂樹殿

0051

【封筒表】

朝鮮総督府

学務長

林茂樹殿

宗教

0052

【封筒裏】

京都市九條

真言宗東寺派宗務所

電話（下）三一二五番

振替口座大阪七六三〇三番

昭和八年四月十二日

0053

【上段】

秘

親展

発送先

京都市九條町

【上段終】

件名　真言宗東寺派布教願ニ関スル件

朝鮮総督府学務局長

真言宗東寺派

管長松永昇道宛

0054

昭和七年十月一日附ヲ以テ願書御提出ニ係ル首

題ノ件布教管理者タルベキ澤光範ハ大正十五年

五月以来古義真言宗布教管理者トシテ朝

鮮ノ布教事務ニ従事中昭和七年七月之ヲ辞職

シタル者ニ有之旁々同派管長ニ就キ右辞免ノ事

情取調候處大要左記ノ如キ回答有之候ニ付テ

ハ右ニ関シ一応貴見承度此段及照会候也

記

一、同人ハ古義真言宗朝鮮布教管理者ニ永年

就職シ朝鮮高野山別院ノ完成ト開教事務

ノ管理ニ当ラシメシモ一般開教師並ニ檀信徒ノ気

受面白カラズ従テ同人依然在職スルニ於テハ開教

0055

モ進展セズ又別院完成モ期シ難キヲ察知シ人心

一新セシムル為昭和六年六月十二日附依願免職ト

シタルモ事務引継ヲ為サザルニ依リ当方ヨリ職員

出張同人ノ関係者並ニ別院関係者間ヲ調定

シ或條件ノ下ニ事務引継ヲ完了シタリ

一、其ノ後同人ハ各派協約ニ依リ本宗僧侶ニ在籍ノ

儘東寺派布教管理者タラントシテ同派ヨリ照

会アリタルモ各派協約ニ依ル僧侶互融ハ互助協調ニ基

クモノナルニ拘ラズ同人ハ雑誌曼荼羅ヲ発行シテ宗務

当局ニ反抗シ協調ノ精神ナキモノト認メ同人ガ他派

ノ管理者ニ就任スルハ将来開教上ノ支障トナルベシ

ト信ジ同意セザリシモノナリ

0056

【上段】

秘

親展

【上段終】

一、昭和七年九月二十二日附真言宗東寺派ヘ転派ニ付

同派ヨリ支梧照会アリ同月二十四日附支梧ナキ旨

回答シタルモ真言宗各派間ノ教師互融ハ法ノ問題

ニ非ズシテ徳義ノ問題ナリ甲宗派ニ於テ承認シ難キ

者ハ乙宗派ニ於テモ強テ之ヲ採用セザルガ道カト思

料ス

以上

案ノ二

学務局長

京畿道知事宛

京城府漢江通十一番地

0057

澤光範

明治八年十月六日生

今般真言宗東寺派管長ヨリ右ノ者ヲ布教管

理者ニ定メ朝鮮ノ布教致度旨願出有之タル處

右澤光範ハ多年古義真言宗布教管理者ト

シテ勤務中昭和七年七月辞職シタル者ニ付右辞

免ノ事情ニ関シ同派管長ニ照会シタルニ一般開教

師並ニ檀信徒ノ気受面白カラズ人心一新ノ為依頼

免職シタル旨回答ノ次第モ有之タルニ付テハ左記

ニ依リ詳細同人ノ身元内査ノ上至急回答相成

度右照会ス

記

0058

一、性質素行

一、資産状態

一、前科ノ有無

一、信用ノ程度

一、其ノ他参考トナルベキ事項

以上

0059

昭和八年三月廿三日

古義真言宗々務所　印

朝鮮総督府御中

真言宗東寺派朝鮮開教監督

任命ニ関スル件

曩ニ本宗教師タリシ澤光範ヲ東寺派朝鮮開教監

督ニ任命貴総督府ノ承認ヲ仰キ候件ニ関シ御

照会ニ接シ未タ手続ハ完了セサルモ東寺派ヘ転籍

セル旨ヲ御答ヘ致シ置候

而シ真言宗各派間ノ教師互融ハ法ノ問題ニアラス

シテ徳義ノ問題ニシテ已ニ賞罰モ承認致シ居リ候

次第従テ甲宗派ニ於テ承認シ難キ者ハ乙宗派モ

強テ採用セサルカ道カト存シ候澤光範ハ本宗僧侶

トシテ東寺派開教監督タラントシ本宗ノ承認ナキヨリ

転派ヲ企テ以テ所期ノ目的ヲ達セントシタル者ト考ヘ

ラレ候若シ宗教家ニシテ真ニ開教ノ成果ヲ挙ケント

ナラバ開教監督ト否トハ問題ナキ筈ナルニ強テ之ヲ

希望スルハ不純ノ動機ヨリ茲ニ至レルモノト察セラレル

0060

殊ニ本宗開教監督時代ノ経論上ノ問題ニ関シ

已ニ決了セルニ拘ハラス今猶ホ交渉アル如ク疑題ヲ申来リ

候状態ヨリ察シ将来ノ開教上支障来スヤモ知レス候

尚ホ同人監督承認ノ儀ハ此際御考■被下度候

本宗開教上ノ見地ヨリ重ネテ意見申述ヘ候也

已上

0061

【封筒表】

朝鮮京城府

朝鮮総督府　御中

0062

【封筒裏】

和歌山県高野山

古義真言宗宗務所

振替大阪七六五四

昭和八年三月廿三日

0063

昭和八年三月十五日

真言宗東寺派宗務院　印

学務局長殿

開教管理者澤光範許可ノ件

昨年九月願書提出致置候共許可無之候條

至急詮議許可下度此段上願候也

0064

御願

一　布教願許可ノ件

昭和七年九月真言宗東寺派管長大僧正

松永昇道ヨリ願書完備ヲ以テ朝鮮開

教願ヲ提出致シ候已ニ半ケ年ヲ経過セルモ今

ニ御許可ヲ得ズ日々拱手御許可ヲ相待チ

居リ候誠ニ催促テマシク恐縮ノ至リニ存ジ候ヘ

共何卒速カニ御許可被成下度此段及

御願候也

真言宗東寺派朝鮮開教師

京城府吉野町一丁目在住

権中僧正　澤光範

昭和八年二月十二日

朝鮮総督

陸軍大将宇垣一成殿

0065

【封筒表】

総督社会課

愈課長殿

宗教課へ

0066

【封筒裏】

二月十二日

澤光範

0067

【付箋】

古義真言宗回答

0068

昭和八年一月十六日

古義真言宗々務所　印

朝鮮総督府学務局長殿

僧侶身分ニ関スル回答

昭和七年十二月廿六日付管長宛御照

会有之候京城府漢江通十一番地澤

光範ノ身分ニ関スル件左記回答ニ及ビ候

也

記

一、同人ハ古義真言宗朝鮮布教管理

者ニ永年就職シ朝鮮高野山別院

ノ完成ト開教事務ノ管理ニ当ラシメシモ

一般開教師並ニ檀信徒ノ気受ケ面白

カラズ従而澤光範依然在職スルニ於テ

ハ開教モ進転セズ又別院完成モ期シ難キ

ヲ察知シ人心一新セシムル為メ昭和六年六

月十二日付依願免トシタルモ事務引継ヲ

為ササルニ依リ草繋財務部長出張、澤

光範ノ関係者並ニ別院関係者間ヲ調

停シアル條件ノ下ニ事務引継ヲ完了シタリ

0069

一、其後同人ハ各派協約ニ依リ本宗僧侶ニ

在籍ノママ東寺派布教管理者タラント

シテ同派ヨリ照会アリタルモ各派協約ニ依

ル僧侶互融ハ互助協調ニ基クモノニ■ニ

拘ラズ澤光範ハ雑誌曼荼羅ヲ発

行シ宗務当局ニ反抗シ協調ノ精神ナキ

モノト認定シ同人ガ他派ノ管理者ニ就任ス

ルハ将来開教上ノ支障トナルベシト信シ同意

セザリシモノナリ

一、昭和七年九月廿二日付真言宗東寺派ヘ転

派ニ付同派ヨリ支梧照会アリ同廿四日

付支梧ナキ旨回答シタルモ同派ヨリ今ニ

手続完了ノ通知ナシ依テ同人ハ現ニ本

宗僧侶トシテ本宗ノ僧籍ニアルモノナリ

以上

0070

【封筒表】

朝鮮総督府学務局長殿

0071

【封筒裏】

和歌山県高野山

古義真言宗宗務所

振替大阪七六五四