top of page


13-하
人を斬る菜葉大根を斬るが如き殺代兇暴の徒は先づ必要
の點を見ず、夫れ然り、人の氣象維新前後によりて著し
き等差あるはまた怪むに足らず、强ち士風の弛廢とのみ
すべからざるなり
成程吾國の祖先ハ南方温暖の沃土に剏起し、人心敦厚に
して馭し易し、化し易し、漾々として君子の風釆あるハ
さることながら、敢為冒險の氣に乏しきハ又蔽ふべから
ざるの事實なり、加之封建制度永く行はれ、社會上下の
秩序肅然として、流石外形の美觀ハ立派なりしも、退て
裏面に立ち人權消長の如何を察する時ハ、檢束覉絆至ら
さる處なく、自治自理の精神漸く磨滅し了しは、歐洲人士
と同じ堵場に駢馳競爭するハ殆んど望むべからざるの恐
なきにしもあらざれども、彼の具備する處にして我之を
缺くものあると共に、彼の缺く處にして我の之を具備す
るものも亦是あり、事理を辨へず、状勢を詳にせず、徒
らに又大早計に截望落膽して後日臍を噛むの悔をとる勿
れ、乞ふ試に之を云ん
抑も我天祖天彦火瓊々杵尊、日向高千穂峯に天降り賜ひ
bottom of page