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腐敗の空氣を排除し漸次之を清淨にし以て其基礎を固む
るの一事あるのみ之を完ふせんとするには如何せば可な
るや余輩は教育の部面よりするこそ最も安全道にして又
捷徑なりと信ずるものなり然り余輩教育の主義に依るも
のなり然れども其制度に至ては頗る撰擇する所なかるべ
からず若し制度にして不完全ならんには産業上に衰頽を
來すこと不德義なる會社保護政策より生ずる害の比にあ
らず何となれば斯く教育せられたるものは後來一手に產
業の權を握るものなればなり余輩ハ茲に於て再び基底の
安固論を主張し之を應用せんとするものなり人あり余輩
に其制度の種類を問ふものあらんには余輩ハ完全の制度
は只一たらざるを得ざるものにして制度の完全と否とは
手段の如何に因て定まることを以て之に答へんとす余輩
は基底最も安固なりと信ずる手段は器械的手段を全廢し
て印心的手段を用ゐる者之なり
器械的手段とは余輩が意盖し人間を器械の如く待遇する
の手段を謂ひるなり人各心意のあるあり豈に徒らに他の
威光に屈服する者ならんや例令ば今茲に實業教育を盛に
せんとするに當り爾ぢ此學を修め此業を學ばざる可らず
と厳重犯すべからざる規則を設け卓上の論以て人々の之
に利すると否とに拘らず機械的に之を教へんとするが如
き之なり此の如き制度ならんには啻に産業の教育に止ら
ず他の學業に於けるも到底滿足の結果を得る能はず之が
結果は只學ぶ者をして不平心を起さしむるか若くは卑屈
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