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に陷らしむる一事あるのみ今之に反し身に纒ふ衣服より
して今日々用の物品に至る迄丁寧懇篤に之か産出所は勿
論製造運搬順序及び其價格等に至るまで理論に實地に
之を教へ產業の起さざるべからず產業を盛にするには德
義の重ぜざるべからざるを教誘し今日吾國の產業社會の
衰類と不德義とを其原因は如何結果は如何と自然に
說示し之が改良の今日に於て急務なるを論さば其結果如
何ぞやこれ即ち余輩が印心的手段の謂ひなり此手段に依
て得る結果ハ人々に經濟の精神と德義心とを起さしむる
こと之なり此精神此心こそ實に産業の根本たり基礎たるべ
き者とす
制度已に其基礎固し人々經濟の精神と德義心とを以て各
已れが立身の基礎を固ふしたらんにハ產業如何でか起ら
ざらん之が基礎如何でか安固ならざらん茲に於てか吾國
人ハ以て會社を起すべく以て保護政策干渉主義の有害無
益なるを覺るべく始めて天然の供給物を利用するを得べ
く以て吾國を眞誠の産業國商業國となすを得て天の好意
を空ふせざるを得んこれ余輩が今日吾國に於て最も急務
とする殖産の方策なり
士気振ふ可し(第一) 杉江輔人
敷島の日木心を人問はば旭日に匂ふ山櫻かな」とは高士
の名吟なり余ハ其意を嘉みし常に誦して止む能はざるな
り蓋し春光盎然花季方に熟するに至れば吉野嵐山は言も
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