植民地朝鮮の日本人宗教者

朝鮮開敎の異彩
朝鮮開敎上の一異彩として先づ指を向上會館に屈する、大正八年、渓内氏が輪番兼監督時代、全鮮に亘る独立運動盛んなる頃その運動の背後には某敎派の策動が潜んで居ると云ふので總督府では佛敎徒側の鮮人布敎進出を要望してゐた。渓内氏は鮮人同化事業として總督府より舊日本公使館跡の千二百坪の土地を無料貸與され向上會館を設立したものである。
最近經済上の關係で財團法人を解散、土地建物は本山有となり今後本山直営に歸した、大派では真の開敎の意義を達成せしむる爲に今後鮮人に直接迫る開敎方針を採る由で既報の如く鮮人によりよきテキストを與ふる目的で現在同會館の職員李智光氏が聖典の鮮語訳をやつて居るが近く參部經の翻訳が完成されると云ふ。