植民地朝鮮の日本人宗教者
記事題目
「感謝と希望に燃えた 朝鮮佛敎大會の集り」
作者
雑誌名
『中外日報』
号数等
年月日
1924年12月17日
本文
朝鮮佛敎大會の常任理事李元錫、中村健太郎両氏の東京に於ける運動の經過に就てはその都度報導したる處であるがその後両氏の歸鮮するや之が報告と協議の爲め去る二日午後同會館に於て 理事會開催 李久用男、韓昌洙、前田昇少將、李元錫、申応熈、大和與次郎、中村健太郎、服部豊吉、苗宗錫氏等十五名出席、東上せる李、中村両氏より詳細なる經過報告を爲し大に理事會の元氣を鼓舞し更に將來の方針に就て協議する處あり、次で六日午後朝鮮ホテルに於て 役員總會開催 顧問李元用侯、宗秉畯伯、李夏栄子、下岡政務總監、會長李久用男、副會長韓昌洙、前田昇少將、常任理事の李、小林、中村參氏其他相談役、評議員、理事五十四名出席理事會同様東上せる李、小林両氏より文部當局、實業家、宗敎家、貴族、學者等各方面の援助に關し一々氏名を擧げて詳細報告し、李元錫氏に対し佛敎護國團が增上寺に於て歓迎會を開き又佛敎聯合會と護國團朝鮮協會は聯合主催で中央亭に於て歓迎會を開き更に小林中村両氏の爲に晩翠軒に於て歓迎會を開かれた事、七回に亘る相談會に徳川公、清浦、澁澤子爵等日鮮懇話會同人、野中鮮銀總裁、宮尾東拓總裁、佐々木第一銀行總裁、市來日本銀行總裁等各方面の巨頭が出席して六萬圓の寄附金を爲すべきことを協議し最後に下村宗敎局長は一行の爲に各宗代表者を文部省に會同し實行案の
一、 留學生を毎年五十名宛養成の事
二、 十二宗管長を佛敎大會の顧問に推戴する事
三、 各宗より常任顧問一名を朝鮮に送ること
四、 佛敎聯合會幹事十○名を佛敎大會の相談役とすること
の承認を得たる旨詳細なる報告を爲すや滿場歓呼にどよめき直に財團法人の組織を決議し實行案も滿場一致にて可決され茲に愈内鮮一致の下に朝鮮佛敎の復興を策し併て内鮮の融和を圖る事となり種々協議の末下岡政務總監は同會の熱烈なる運動を祝福し宜しく永き將來に目標を置くべし、との長廣舌(別項)をふるつた。