top of page

記事題目

「日本佛敎の新領地」

作者

皆是生

雑誌名

『明敎新誌』

号数等

年月日

1894年9月12日

本文

日本は東亜の主導者なり、東亜永久の安全を保維し、東亜の文運を隆盛ならしむるは日本の任務なり、日本は今や其の任務を行はんとして朝鮮の内政改革に手を下せり、その任務を全せんが爲めに兵を出して彼の暴慢なる清に対せり、我が佛敎家も亦た決して手を袖して傍觀すべき時にあらず、
吾人はこゝに一個の新領地を得たるなり、之を開拓し、之を敎養し、以て健全なる國民たらしめざるべからず、而してこれたゞ朝鮮に於いてのみならず、尨大なる清國もまた吾人の手に要するなり、吾人日本佛敎の伝播を要するなり、彼が今尚ほ頑として野蛮の風習に安んじ、髪を弁して廣く萬國の笑柄となるもの實にこれ東亜の面目に關す、我が精神の主權者たる佛敎徒は、日本佛敎の任務を全ふせんが爲め彼れ豚尾漢の改造を計らざるべからず、
あゝ佛敎徒は一個の新領地を得たり、平壌の一戦は我れ必ず勝を得ん、平壌既に我が手に入る、我はまさに長駆して北京を衝かん、北京を衝くの時は清帝降を乞ふの時なり、既に降を請ふ、我が日本は決して彼を苦むるを欲せず、彼れを導ひて文明の域に進ましむるの策を講せんのみ、彼れを導き彼れを誘て文明に進ましむるは佛家の任務なり、記憶せよ我が國は東亜の主導者なり、我が佛敎は須く東亜文明の全權を握らざるべからざるを、

bottom of page