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記事題目

「朝鮮布敎要論」

作者

哲軒生

雑誌名

『明敎新誌』

号数等

年月日

1894年10月16・18日

本文

於是門外漢説あり曰く(本月十一日読売新聞社説を參考せよ)
古より先つ蒙昧野蛮の地に入るもの、多くは皆宗敎家なり、而して其の蒙昧を啓き野蛮を移すもの亦宗敎家なり・・・・餘輩は我宗敎家に望む、何ぞ此の大勢一変の時期に乗し、以て東洋伝導の端緒を開かさる、徒に内地に於て紛争を事とし、甲論乙駁互に宗派の優劣を闘すは、偶ま以て笑を世上に取るに足る・・・・佛敎の勢力は猶未た宗敎の覇者たるを失はす・・・・豈に大に海外に向て布敎の領地を開拓するの時機にあらすや・・・・今や日本の膨張雄飛將に世界の四隅に迫らんとす、我敎法家たるもの亦何ぞ先進國の名誉によりて、先つ朝鮮内地に分野を開かさる、而して之れより日本の文化を朝鮮に輸入することを得て、社會の風俗爲めに一変するに至らは、其の功徳亦た独り布敎のみにあらさるなり、
宗敎の野蛮を啓誘するの務めより、引て朝鮮内地の布敎を論す、文字金玉論述正確吾人大に宗敎者として、啓發感謝の至りに堪えざるなり、

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