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記事題目

「朝鮮普天敎徒代表者が佛立講へ入講申込 本部では快諾に躊躇 類似宗敎で革命暗躍派」

作者

雑誌名

『中外日報』

号数等

年月日

1936年1月24日

本文

朝鮮同胞七十八萬人が打聯れて 本門佛立講に入講するといふ話―朝鮮京城府鐘路六丁目二〇番地の七號、舊韓國將校會代表従二品勲二等玄暎運なる名刺を所持した男が去日大阪清風寺を訪ひ、更に去る十二日京都北野下ノ森なる本門佛立講根本道場に總務局總理梶本清純氏らを訪問
自分は普天敎の者であるが總裁?車仙氏(管長格)が左翼の嫌疑をうけて検擧されて以來副管長格者に属する自分らは信仰の歸趨を失ひ宇宙に迷つて居る、それで日本佛敎の何れもによることとなり自分は白紙無條件でその所属(信仰決定)を一任されて來たが佛敎中では一番細胞組織化して居る佛立講(本門法華宗佛立敎會)が一番我々に適応し又生きてゐると思ふから入講させて貰ひたい。
とて全州郡全州面完山町四二〇番地池甑山聖師生存門徒金徳燦以下七十八萬人の代表者を列記した書類を提出したので同講幹部では取敢へず本人の入講を勧め同人も入講証を入れ東上、歸國の豫定であつたが、本人は朝鮮總督府の諒解を得てゐると語つて居たさうである。右に就いて佛立幹部は「團體敎化は不可能である」検擧された車仙が非常な慢心を持ち「○座」などを設けて居たといふのでおそれをなし普天敎徒を入れる事によつて同時に佛立講自體まで左翼ばりに見られはしないかと心配して府特高課に一応意見を聴いた程であるが、同特高課では
「普天敎は類似宗敎で、總裁が前に検擧された事がある、彼等は日韓併合に先立ち日露支の間に暗躍したものの残党で今日でも革命系に属する、併しそれが佛立講に入つたといつても、佛立講自體を白眼視する訳ではない」と語った
同意誓約書
なお入講に先立ち七十八萬人と称する門徒代表者の同意誓約書は左の如きものである。
○同意誓約 夫大道之行也は體天則地にして動静體用自ら其常有り惟ふに我甑山山神聖なる遺訓に曰く佛之形體仙之造化儒之儿節といひ參合を度となしたるなり現我普天敎其他各派の敎名は神○の命名にあらざる故茲に大衆を擧げて佛之形體に一體同歸して願くは大道の行ひを爲す事を同意誓約す
昭和六年一月十五日
 巡○六十年○○十一月二十七日

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